2022年11月8日、中国メディア・和訊網は、半導体チップ価格の高止まりが自動車企業の利益の足かせになっているとする文章を掲載した。

文章は、半導体チップの供給不足が依然として自動車産業に暗雲を垂れ込ませており、米マッキンゼーの最新報告によれば、自動車産業における半導体不足は、今後数年、存在する可能性が高いと紹介。新型コロナで落ち込んだ自動車産業が回復基調にあり、半導体の使用量が急速に増加するなかで、台湾TSMCをはじめとする半導体メーカーが生産拡大に乗り出しているものの、自動車用半導体価格を安定させるには至っておらず、調査機関のオートフォーキャスト・ソリューションズ(AFS)によるデータでは、今年10月30日現在で世界では半導体不足によって約390万台の減産が発生し、年末までには約430万台にまで増える見込みだと伝えた。

そして、自動車向け半導体不足の背景には、90ナノメートルプロセスを中心としたやや古い技術の半導体製品が先進的な半導体製品に比べて薄利な点があると指摘。今年7〜9月期のTSMCの半導体売上高のうち、5ナノ・7ナノプロセス半導体が53%を占める一方で、90ナノプロセス製品は2%程度にとどまったほか、中国の半導体大手・中芯国際も昨年は90ナノ未満の半導体の売上高が全体の6割近くを占め、90ナノ以上は4割前後だったと紹介した上で「自動車用半導体チップ市場のニーズが旺盛な一方で、半導体メーカーがそこから得られる利益は高くないため、投資への情熱を持ちにくいのだ」と評している。

また、化石燃料車から電気自動車(EV)へのシフトで半導体の需要は2倍となり、自動運転機能搭載など今後さらに自動車のスマート化が進んでいけば半導体需要は3〜4倍、さらにはそれ以上になるため、世界の半導体メーカーが生産能力の拡大を進めても、そして自動車の生産台数が以前に比べて減少したとしても、半導体チップ不足の問題は依然として解決に至らないのだと伝えた。

さらに、先進的なプロセスの開発に比べてコストが低いとされてきた世代の古い成熟技術プロセスの生産コストがここ2年で上昇し続けていると指摘。生産拡大のためには新たな工場建設、設備の導入、従業員の雇用などの費用がかかり、工場一つ造るだけで数十億から100億ドルものコストがかかってしまうとした。

文章は、問題解決に向けて一番にやるべきことは、自動車産業と半導体産業間の「デカップリング状態」を根本から変えることだとし、それぞれの産業が歩調を一致させるとともに、半導体メーカーに「何がどれだけ必要なのか」を理解してもらうことで初めて、現在のような需給バランスが著しく崩れたことによる半導体チップ不足と価格高騰の局面を完全に終わらせることができるのだと論じている。(翻訳・編集/川尻)