2022年11月14日、中国メディアの第一財経は、日本の大手企業8社による半導体チップメーカー設立に対する中国の専門家による見解を紹介する記事を掲載した。

記事は、トヨタ、ソニー、NTT、NEC、デンソー、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行の日本企業8社が先週、先進半導体メーカー「Rapidus」を設立したと紹介。2025〜30年に2ナノプロセス以下の最先端半導体の量産を開始する構想を立てており、日本政府は11日、同社に約700億円の補助金を支給することを決定したと伝えた。

日本の半導体産業をめぐる大きな動きに、日本企業(中国)研究院の陳言(チェン・イエン)院長が「参加企業の顔ぶれを見ると、自動車、通信、電子、金融、半導体と多くの産業に及んでいる。これは、日本が今後、無人運転、人工知能(AI)などの先進分野で競争優位性を確保すべく、半導体産業の布石を敷いたことの表れだ」と評したことを紹介している。

そして、現在世界の半導体チップ産業では台湾TSMCと韓国サムスンが最先端の3ナノプロセス半導体量産技術を獲得し、25年の2ナノプロセスの量産を目指しているのに対し、日本では最新の半導体製造ラインが40ナノプロセスにとどまっていると指摘。ここにきて日本が2ナノプロセス量産化の世界的な争いに殴り込みをかけた背景には世界の半導体産業の猛烈な発展があるとし、世界半導体市場統計(WSTS)が発表した最新予測データとして、22年の世界市場は前年比16.3%増の6460億ドル(約91兆円)規模に達し、23年も成長ペースが落ちるものの、それでも5.1%の成長率を確保する見込みだと伝えた。

陳氏はまた「日本の半導体産業が落ちぶれたのは、垂直統合方式を変えられなかったことによる日本の半導体チップ分野の製造、設計能力の問題に加え、市場の新製品ニーズに大きな変化が出現したことが原因だ。特に2010年以降、日本は携帯電話、データセンター、自動運転、製造業のデジタル化などの分野において発展の原動力と勢いに欠け、関連の研究開発、回路設計人材も著しく不足するようになった。そして、日本市場全体の需要が低迷する中で、半導体メーカーも大規模な投資を行わなくなり、かつて持っていた強みを手放すことになった」とした上で、「投資規模では日本政府が米国などに及ばないのは明らかだ。市場面では、日本政府が今年打ち出した経済安全保障推進法により世界最大の半導体消費市場である中国市場の開拓が難しくなっている。そして、日本企業の垂直式生産という特性を変えない限り、日本はおそらく同じ轍を踏むことになるだろう」との見方を示した。(翻訳・編集/川尻)