2022年11月25日、環球網は、「日米の半導体協力にはそれぞれの思惑がある」とする、中国社会科学院研究員の王鍵(ワン・ジエン)氏による評論記事を掲載した。

記事は、西村康稔経産相が先日、トヨタ、ソニー、NECなど日本の大手企業8社が共同出資して立ち上げた新しい半導体メーカーのラピダスに対して700億円を助成すること発表し、ラピダスが2027年までに2ナノプロセス以下の最先端半導体チップの量産を実現する計画を掲げたと紹介。この動きについて、日本が半導体分野で世界をリードする地位に返り咲くためのものであることは明らかだとした。

また、「米国は近年、世界の半導体産業に覇道的な干渉を行って半導体サプライチェーンの再編を急ぎ、局面を著しく見出している」と主張するとともに、日本の岸田文雄内閣もこれに追従し、「共通の価値観」の国と共に中国に対して排他的な重要技術、産業同盟の構築を試みているとし、日米両国が今年5月に半導体協力の基本原則で合意に至り、7月には半導体分野の新たな研究機関を共同で設立することを発表したと伝えている。

その上で、70年代から80年代前半にかけて半導体産業で世界をリードしてきた日本が、80〜90年代の「日米半導体摩擦」によってトップの座を失うことになったという苦い経験を持つと指摘。当時の米国は「日本脅威論」が勢いを持ち、日本を西側陣営の異端者と見る向きさえあったとし、「東芝事件」を口実に日本の半導体産業に全面的な制裁を発動するとともに、日本国内の半導体市場の開放を日本に迫る一方、日本製品の対米輸出を厳しく規制するという手法により、日本の半導体産業が持っていた競争力を一気に削いでいったと伝えた。そして「米国の一連の行動は、国の安全保障を口実にして貿易上の争いを政治化したものだ。それゆえ、今後の日米半導体協力でも同じような局面が生じるのではないかと、日本の産業界からは憂慮の声が出始めている」とした。

文章は、現在の半導体分野における日米協力にはそれぞれの思惑が存在するとし、米国が「チップ4」の設立を提唱したのは米国自身が世界の半導体分野で優位に立つことが目的であるのに対して、日本は半導体サプライチェーンにおける強みを生かした上でラピダスを通じて自国の半導体産業の再興を目指していると紹介。ただ、日本が再び世界のトップに立つには長くて厳しい道程が待っているとし、「一連の重大な技術的問題を解決すること以上に重要なのは、中国に対する経済安保戦略を変えなければ、日中貿易協力や日本の社会、経済の発展にとって大きな足かせになるばかりか、日本が抱く『半導体の野心』も達成が一層難しくなるということだ」と論じた。(翻訳・編集/川尻)