2022年11月27日、中国のセルフメディア羅馬監察員は「台湾問題より重要!中米にもう一つの硝煙のない戦争」と題し、貿易戦争を繰り広げてきた米中両国の争いが「産業チェーンをめぐる争い」という新たな段階に入ったとする文章を掲載した。以下はその概要。

2022年も終わりを迎えようとしている今、向こう1〜2年で米中両国の「ホット・ウォー」が勃発するリスクは基本的に取り除かれたと言えそうだが、だからといって火種が完全に取り除かれたわけではない。なぜなら貿易戦争がエスカレートした産業チェーンをめぐる争いがすでに始まっているからだ。貿易戦争は米国にとって関税引き上げによって米国の起業家の支持を取り付けるという米国内の政治闘争が目的だったのに対し、産業チェーンの戦いは対中依存をできる限り減らして中国の経済発展を抑え込むとともに米国の中国に対する技術的な優位を再構築し、さらには中国との戦争を起こす上で必要な前提条件を整えるためのものだ。

トランプ前大統領が貿易戦争を始めて以降、世界の貿易の局面には明らかな変化が生じており、米国を首班とする西側諸国がますます多くの貿易規制政策を発動するようになった。学者はこの現状を「ディグローバリゼーション」と称しており、あらゆる産業チェーンを確保しようという中国の戦略に困難をもたらしている。

米中両国間の産業チェーンをめぐる争いはますます激しくなっている。バイデン米政権発足から2年近い時間の中で、米国が打ち出した対中貿易規制政策のリストはますます長くなっている上、中国の抑え込みを狙った「チップス法」や「インフラ法案」が議会で続々可決された。

そして、この争いは米中間の直接的な競争のほかに、欧州市場の奪い合いという間接的な争いも生んでいる。米国としては欧州市場を占領して欧州のハイエンド産業における市場シェアを削減しようという目論見を持っており、一方の中国は経済面でEUとの協力を深め、EUを政治的に少なくとも「親米反中」の立場から脱却させようと狙っている。

さらにもう一つの戦場として非常に重要なのは、中国の市場だ。米国による対中企業への貿易規制がますます厳しくなれば、中国企業の海外進出もどんどん困難になる。中国のハイテク企業にとって、自国市場の消費レベルの向上は、発展する上、そして安全を守る上で非常に重要な意味を持つのだ。(翻訳・編集/川尻)