英国のリシ・スナク首相は「英中の黄金時代はすでに過ぎ去った」と述べた。独メディアのドイチェ・ヴェレが29日付で伝えた。

スナク氏は28日、ロンドンで行った外交政策に関する演説で、中国との関係をめぐり「いわゆる『黄金時代』は過ぎ去ったことをはっきりと言おう。貿易が政治的・社会的改革をもたらすとの甘い考えもそうだ」と述べた。

また、過去の英政府の対中政策を批判し、自らは「近視眼的」や「希望的観測」といった方法を拒否し、安定した実務主義で対応すると強調。中国では英国の利益と価値観に対する「システミックな挑戦」が日増しに先鋭化しており、英国は対中姿勢を変えなければならないとした。

スナク氏はまた、英BBC記者が中国で拘束された事件に触れ、「中国政府は自国民の抗議の声を聞かず、記者を殴るなどさらなる弾圧を選択した。メディアは制裁を受けない状況下で、新疆ウイグル自治区や香港を含むこれらの問題を明らかにできなければならない」と指摘した。

一方で「世界経済の安定や気候変動などの問題における中国の重要性は無視できない。それは米国、カナダ、豪州、日本、その他多くの国もそれを理解している」とも言及。「外交的な接触を通じた往来を含め、こうした競争を共同で管理していく」と述べた。

ロイター通信はスナク氏の発言は選挙期間中と比べて「やや和らいでいる」と指摘。10月25日の就任以降、保守党の内部からはスナク氏の対中姿勢について前任のリズ・トラス氏ほど厳しくないと批判的な声が上がっていたという。英紙ガーディアンも、スナク氏が中国に対して「脅威」という言葉を使わなかったことに、保守党内部で意見の対立が深まる可能性があると報じた。

一方、スナク氏の演説について、中国紙・環球時報は社説で「英国の姿勢は、一部の政治家の情緒的で偏狭な対中主観的認知に左右されており、米国からの影響も少なからず作用している」と主張。「システミックな挑戦」については「根拠がなく無責任」と断じた上で、「政治家の誤った観点が世論の増幅と発酵を経て、密かに繁殖した毒キノコのように英国の対中世論環境を毒化している」と論じた。(翻訳・編集/北田)