岸田文雄首相と米国のバイデン大統領との日米首脳会談を中国メディアが取り上げた。この中では中心テーマとなった「防衛協力の強化」について「国際社会の平和と発展の願いに背き、第2次大戦後に形成された国際レジームに挑戦するものだ」と指摘。一段と非難のトーンを強めた。

岸田首相の訪米に関して、中国網は「先月、日本で安保3文書が閣議決定されたという重要な背景がある」と前置き。「これには防衛費の大幅な増額、反撃能力の構築などが含まれ、日本の戦後最大規模の軍事改革の始まりを象徴している。当然ながらこうすれば道義的な強い反発を受けることを日本が意識しているため、今回の訪問は『外国人助っ人』を探すという意味合いが強い」と述べた。

続いて「今回の訪米には三つの『手土産』があると見ることができる」と説明。「まず日米同盟関係の強化を積極的に目指すことで、米国の『インド太平洋戦略』への忠誠心を示す。次に米国側に軍事動向と『反中の成果』を報告することで、その代わりに専守防衛の突破への支持を得る。それから『中国の脅威』を持続的に喧伝(けんでん)することで、これを自国の軍拡の口実にする」とし、「これは日米同盟の戦後70数年来の重大な調整を象徴する。日本は『堅固な盾』のみに甘んじず、『鋭利な矛』になろうとしているが、米国はこれを強く支持している」と断じた。

さらに「岸田氏の(訪米に先立つ)フランス、イタリア、英国、カナダ訪問の『成果』のほぼすべてが安保協力の強化に集中しており、経済協力は目立たない場所に追いやられている」と言及。「注意すべきは、この5カ国がG7(先進7カ国)メンバー国であると同時にNATO(北大西洋条約機構)加盟国であることだ。日本が意図的にNATOを抱き込み、アジア太平洋をかき乱そうとしていることが分かる」とやり玉に挙げた。

今後は「日本の戦略的な衝動と米国の対中戦略の私心によって双方がたちまち一致し、アジア太平洋ひいては国際社会が戦後かつてない大きなリスクに直面している」と警戒。「米日はルールを基礎とする国際秩序」を守らなければならないと再三言いふらすが、国際秩序の根幹を揺るがすことを行っている。国際社会は日本のこの動向に警戒し、かつ強い道義的な圧力をかけるべきだ。これが戦後秩序の安定や、アジア太平洋の平和と発展の局面が根本的に損なわれるか否かと関わるからだ」と訴えた。

その上で中国網は「日本は戦後の約束を守り、真剣に反省し、実際の行動によりアジアの隣国から信頼を得ることで、初めて第2次大戦の『陰』から抜け出すことができる」と強調。「協力の高地であるアジア太平洋で真の力を持つのはいわゆる『矛』や『盾』ではなく、平和と発展への普遍的な願いであることを日本は理解するべきだ」と呼び掛けた。(編集/日向)