中国中央広播電視総台のラジオ番組・中国之声は26日、新エネルギー車に値下げが相次いでいるにもかかわらず、自動車保険料はなぜ下がるどころか上がっているのかとの記事を発表した。

中国では近年、電気自動車(EV)などの新エネ車が普及している。今年に入ってからはメーカー各社が相次いで値下げを発表したことが話題になった。一方で、新エネ車の自動車保険料は増加の一途をたどっており、保険契約の継続が困難な状況も生まれているという。

記事によると、新エネ車の保険料が高額なことについては、かねてより所有者から不満の声が上がっていた。ある女性によると、所有する新エネ車の保険料は8000元(約16万円)以上で、同クラスのガソリン車の保険料より2000元(約4万円)ほど高いという。また、別の所有者は「事故を起こしていないのに今年に入って保険料がかなり上がった」と漏らした。

某保険会社の担当者・劉(リウ)さんは「車種別の保険金給付率や所有者のステータスなどすべてが影響する。前年に特定の車種で請求が多かった場合、翌年には保険料を引き上げたり、同車種については保険を取り扱わなくなったりもする」と説明。新エネ車自体の価格は下がっているもののディーラーの修理にかかる部品代や工賃は下がっておらず、保険会社も十分な利益を得られていないという。

また、新エネ車は事故率や平均賠償額がガソリン車を大きく上回るため、保険会社は保険料の引き上げ、あるいは契約拒否などでリスクヘッジをせざるを得ないという。北方工業大学自動車産業革新研究センターの張翔(ジャン・シアン)研究員は「新エネ車にはコネクテッド(ネット通信)や自動運転といった特性があり、保険会社はこの部分の保険給付率が高いことから、利益を確保するために価格を引き上げる必要がある」と語った。

別の業界関係者は「新エネ車は競争が激しく、ある車種は1年もたたないうちにアップグレードされる。多くの車種が発売から数年も経たずに生産を停止しており、保険会社も損害賠償の確定が困難になっている」と話した。

対外経済貿易大学保険学院の王国軍(ワン・グオジュン)教授は、自動車保険料が下がる要因として「保険会社のシェア争奪戦、新エネ車の技術成熟によるコスト低下、政策的要因」を挙げる一方、現在は「高い保険料でリスクを軽減するしかない」状況だと指摘。「保険会社、自動車メーカー、監督管理当局が協力してデータや利益の共有を推進すれば、保険料の設定もより合理的になっていくだろう」との見方を示した。(翻訳・編集/北田)