中国の自動車大手、吉利汽車控股がこのほど発表した2023年12月期決算は、売上高が前年比21%増の1792億元(約3兆7600億円)で過去最高を更新し、純利益も51%増の53億800万元だった。国営新華社通信が伝えた。吉利汽車は今年、新エネルギー車(NEV)への移行とスマート化を加速させる。

新華社通信によると、23年の新車販売台数は168万7000台、うち新エネルギー車(NEV)は48万7千台、輸出は38%超増の27万4千台で、いずれも過去最多を記録した。

粗利益は31%増の274億元で粗利益率は前年の14.1%から15.3%に上昇。製品構成の改善、コスト削減、スケールメリットが寄与した。

スウェーデン自動車大手のボルボ・カーズとの合弁高級車ブランド「領克(Lynk&Co)」の販売は22%超増の22万台。電気自動車(EV)ブランド「極氪(ZEEKR)」の納車台数は65%増の11万9000台で、23年末までの累計納車台数が19万台を超えた。

吉利汽車は23年末時点で、世界70カ国に533カ所の販売・サービス拠点を構え、欧州、アフリカ、中南米、中東、アジア太平洋地域で事業を展開している。「領克」は23年、アジア太平洋、中東地域などでの販売が2.5倍となり、今後は東南アジア、中南米地域などへの進出を急ぐ方針。「極氪」も23年に本格的なグローバル展開を始め、欧州や中東地域などの市場に相次いで進出し、スウェーデンやオランダで第1陣の直営店をオープンした。

米誌フォーブスによると、吉利汽車の創業者のエリック・リー会長は、自社の株式やボルボ・グループのほか、英国のアストンマーティンなどの自動車メーカーへの出資により、140億ドル(約2兆円)の資産を築いている。同会長は高級EV部門の「ZEEKR Intelligent Technology」を米ニューヨーク市場に上場させることで、さらに17億ドルの資産を追加しようとしている。

ZEEKR Intelligent Technologyは昨年11月10日、ニューヨーク証券取引所への上場に向けた目論見書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。リー会長は同社の株式の13.2%を保有している。

21年3月に吉利汽車の子会社として設立されたZEEKRは昨年2月、中国のバッテリー大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と政府系のGuangzhou Yuexiu Industrial Investment Fundを含む投資家から7億5000万ドルを調達し、その際の評価額を130億ドルと発表していた。

上海のコンサルタント会社Automotive Foresightのエール・チャン氏はZEEKR が同じ市場セグメントで競合するライバルとの激烈な価格競争に直面していると指摘。しかし、ZEEKRは吉利汽車と緊密な関係にあるため、品質管理やサプライチェーンに関しては有利であるとも述べた。(編集/日向)。