2024年4月7日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、米国がオランダの大手半導体製造機器メーカーASMLに中国向けの機器メンテナンス提供停止を求めたことについて報じた。

記事は、米国がオランダのチップ製造大手ASMLに対し、中国の顧客に販売する装置のメンテナンスサービス停止を要求したことは、オランダ政府にとって外交的・商業的ジレンマとなっているものの、米国の姿勢に協調し続ける徴候を見せていると伝えた。

そして、オランダ政府の態度の背景にはオランダの安全保障を取り巻く状況があるとし、オランダが14年にウクライナ東部上空で起きオランダ人198人が死亡したマレーシア航空17便撃墜事件の責任をロシアに求めており、ウクライナによるロシアの侵略戦争への対抗を強く支持していると解説した。

また、次期NATO事務総長に就任する見込みであるオランダのルッテ首相が先週北京で中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した際「中国がロシアを支援していることは深刻な問題。ウクライナ戦争でのロシアの勝利はオランダと欧州に直接的な脅威をもたらすことを中国が理解することが非常に重要だ」と述べるとともに、中国に対し、ASMLの設備やこれにより製造した民生・軍事に両用可能な半導体のロシアへの流出を阻止するためにもっと努力するよう求めたとした。

さらに、オランダ政府はウクライナ問題を含むオランダの安全保障上における米国の支援が、11月の大統領選挙でトランプ氏が勝利した場合に弱まる可能性を懸念しているとも指摘した。

記事は、ASMLにとってのダメージは限定的なものになるだろうと予測。メンテナンス事業は同社の収益の約20%にとどまり、中国市場も台湾、韓国に次ぐ3番目であることを挙げた。

一方で、 ASMLの装置は代替品がなく、メンテナンスサービスが止まれば中国の半導体メーカーには大打撃となり、中国の国産チップ産業育成の努力が後退する可能性があると指摘しつつ、「中国の半導体メーカーはこれまで米国の制裁に対して驚くほどの対応力を見せており、今後も制裁を回避する方法を模索し続けるだろう」という専門家の見解を伝えた。(翻訳・編集/川尻)