在宅時間が増え、料理に目を向ける人が増えたこともあり、スパイスの売り上げが好調。持っていないものを買い足すなら、知りたいのは簡単に家庭料理をおいしくしてくれるもの。およそ600アイテムを扱うエスビー食品のスパイス&ハーブマスターにおすすめを紹介してもらいました。

マーケティングリサーチ・インテージの調査によると、4〜9月の香辛料カテゴリーの売り上げは前年比118.9%と大人気。「在宅時間が増え、手料理の頻度が増えたこと、それに伴いいつもの料理に変化をつけたいと考える方が増えたことで、スパイスが注目されているのかもしれません。料理におけるスパイスやハーブの働きは主に三つ。アクセントになって食欲を刺激する『辛味づけ』、スープに浮かぶパセリのように彩りをよくする『色づけ』、よい香りをさせたり匂いを和らげたりする『香りづけ』のです。なかでも『香りづけ』はほぼ全てのスパイスが持つ役割で、香りを料理に生かすことがスパイスを使いこなす秘訣とも言えます。例えば、アップルパイにシナモンの香りをプラスしたり、サバの臭みをショウガで取り除いたりするのもスパイスの代表的な使い方。スパイスがあるといつもの料理をもっとおいしくできますよ」(エスビー食品株式会社 広報・IR室 遠藤由美さん 以下同)

エスビー食品株式会社・広報・IR室の遠藤由美さん。スパイスとハーブの世界の楽しさを広める「スパイス&ハーブマスター」として全国のセミナーやイベントで講師も務める。

スパイス&ハーブマスターがおすすめ
定番料理に加えてみてほしいスパイス

◆ から揚げ×「コリアンダー
爽やかな甘い香りで食べやすさがアップする
S&Bのマスターたちにも人気の組み合わせ

甘く爽やかで、ほのかにスパイシーな香り。タンパク質と調和する性質があります。S&B コリアンダー(パウダー) 178円(税込)

夕食はもちろん、お弁当にも活躍するから揚げ。「スパイス&ハーブマスターの資格を持つ社員でどのスパイスがから揚げに合うか検証した際、人気だったのがコリアンダーパウダー。パクチーの種部分であるコリアンダーは、爽やかな柑橘系の香りがしますが、油っぽいから揚げに使うとどことなく甘い香りがプラスされます。から揚げ2人前を作るなら、250gの鶏もも肉に調味料を揉み込む過程でコリアンダーパウダー小さじ1をプラス。大きな味の変化はありませんが、まろやかさがアップし食べやすくなります。また、コリアンダーは減塩にも役立てることができて、しょうゆ小さじ2を使うところを、しょうゆ小さじ1+コリアンダーパウダー6振りと置き換えるのもおすすめ。砂糖のコクやしょうゆの香ばしさを補完してくれるので特に和食に合いますよ」

ハンバーグ×「チリパウダー
肉のうま味がしっかり引き立つ
それほど辛くないのでぜひ使ってみて!

メキシコ風の料理作りに活躍するミックススパイス。代表的な用途に、豆や肉を煮込んだチリコンカンがあります。S&B チリパウダー 237円(税込)

ハンバーグはソースで味に変化をつけることが多いと思いますが、タネ自体にアレンジを加えるのも手。「おすすめはチリパウダーを加えること。ひき肉300gに対しチリパウダー小さじ2を練る際に加えると、メキシコ風のエキゾチックな味に仕上がります。ちなみにチリパウダーは、唐辛子やパプリカ、オレガノ、クミン、ガーリックなどが配合されたミックススパイスで、それほど辛味はありません。同じチリでもチリペッパーはヒリヒリと辛い唐辛子なので、間違えないように注意してくださいね」

カレー×「クミンシードカレー粉
香り高いゴージャスさが加わり
奥深さのある本格的なカレーに

香り高く、味に深みを加える組み合わせ。〈左〉S&B クミンシード 200円〈右〉カレー 37g 356円(共に税込)

市販のルーをスパイスでより香り高くしリッチなひと皿に。「普段よりリッチでスパイシーに仕上げたいときはクミンを入れてみてください。スパイスの世界でスパイシーとは、香りが立っていることなのですが、クミンの香りこそが、私たちが『カレーの匂い!』と感じる香りの中心。その香りに厚みをプラスするイメージです。使い方は、油に小さじ1/2〜1のクミンシードを入れ、弱火で熱しながら油に香りを移し、香りの出た油で玉ネギなどの具材を炒めます。また、肉にあらかじめ小さじ1/2〜1のカレー粉をまぶしておくと、肉だけでなく一緒に炒める野菜もさらにおいしくなり、味に奥行きが出ます。ゴージャスなカレーになるのでぜひお試しください」

ミートソース×「ナツメッグオレガノ
臭いを消すナツメッグとトマトに繊細な
涼感を加えるオレガノでレストランの味を

〈左〉ひき肉料理や乳製品の匂い消しに。S&B ナツメッグ(パウダー) 211円 〈右〉清涼感のある香りで、イタリアのトマト料理によく用いられるハーブ。S&B オレガノ 162円(共に税込)

家パスタの定番ミートソースも、スパイス&ハーブでおいしくブラッシュアップ。「ハンバーグの匂い消しとしておなじみのナツメグですが、それだけでは出番が少なく余ってしまうので、同じようにひき肉を使う料理の匂い消しとして覚えておくと便利です。例えばミートソースを作るなら、ひき肉300gにナツメグ小さじ1/4を加えて炒めてください。甘くスパイシーな香りが匂いを消すだけでなく、まろやかな風味を加えてくれます。また、トマトとの組み合わせにはオレガノがおすすめ。トマトとバジルの組み合わせが主流ですが、お店の味に近づけるらならオレガノを。バジルのすっきりした強い香りに対し、オレガノは繊細な清涼感。トマト缶を入れて煮込むときにオレガノ小さじ1/2を加えると、本格的な味になりますよ」

チャーハン+「五香粉
チャーハンに限らず、ひと振りするだけで
中華らしい複雑な香りを加えられます

料理に中華風味をつけるのに重宝。幅広い料理に使えます。S&B 五香粉 238円(税込)

マンネリ化しがちなチャーハンには、中華風の風味をプラス。「五香粉(ウーシャンフェン)は、花椒(山椒)、クローブ、シナモン(カシア)の3種と、スターアニス、フェンネル、ちんぴのうち2種の、計5種類が混合されるミックススパイスのこと。白米500g程度のチャーハンに小さじ1/5の五香粉を振るだけで、花椒とクローブの香りがピリッと際立つ本格中華の味わいになります。また、五香粉をから揚げの下味に使うと中華風にアレンジ可能。塩と混ぜて、天ぷらのつけ塩にするのもおすすめです。さっとふりかけるだけでどんな料理も中華風にアレンジできる便利なスパイスです。入れすぎると香りが強いので、ひと振り程度で十分です」

迷ったらカレー粉を手にとって!

カレー料理はもちろん、炒め物や煮物などの風味づけにも使える万能なスパイスです。

たくさんありすぎてどのスパイスを選べばいいか分からないという方は、まずカレー粉からスタート。「1950年に発売した赤缶カレー粉は、ターメリック、コリアンダー、クミンなど30数種類のスパイスやハーブがブレンドされたミックススパイス。たくさん入れるともちろんカレー味になりますが、ごく少量を使うとスパイスやハーブの風味だけが香ります。冷凍のシーフードミックスをゆでて解凍すると生臭くなることがありますが、お湯にひとつまみのカレー粉を入れておくと、スパイスの香りが臭みを取り除いてくれるんです。どんな料理とも好相性で、かつ臭い取りにも使えるカレー粉はひとつあると重宝しますよ」

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使いどきの難しいスパイスも、いつものお料理にさっとひと振りするだけなら気軽に取り入れられそうですよね。風味を整えるスパイスを取り入れて、おうち料理をアップデートさせてみてください。