[18日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが他の主要通貨に対してほぼ全面安となった。米上院で医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の可決が困難となり、トランプ大統領が経済政策を実行に移せるか懸念が強まった。欧州中央銀行(ECB)など海外の主要中銀が金融引き締めに前向きな姿勢を示していることもドルが下げる要因になった。

ドル/円<JPY=>は一時111.69円と3週間ぶりの安値を付け、ドル指数<.DXY>は約10カ月ぶりの水準に下げた。半面、ユーロとスイスフランは対ドルで一時約1年ぶりの高値を付けた。

米上院共和党による医療保険制度改革(オバマケア)改廃への取り組みは、党内から新たに2人の造反者が出たことでまたも頓挫した。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「(オバマケア代替法案の成立に向けた)トランプ大統領の取り組みが後退し、ドルが売られた。オバマケアの撤廃が困難となったことで、トランプ政権の幅広い戦略に疑念が強まったのは間違いない」と述べた。

トレーダーの間では、米連邦準備理事会(FRB)が年内に再利上げに踏み切ることができるか疑問視する声が根強い。一方、ECBやイングランド銀行(英中銀)など海外の中央銀行は、金融引き締めに向けてタカ派的な姿勢を強めている。

<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが低下した。米上院で医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の可決が困難になったことを受け警戒感が広がったことが背景。朝方発表された米経済指標が軟調だったことで今後の米利上げペースに対する疑念が出てきたことも利回りの押し下げ要因となった。

上院で与党共和党が成立を目指すオバマケア見直しのための代替法案を巡り、17日夜遅くに共和党議員2人が反対を表明。与党造反が4人となったことで可決は難しくなった。こうしたなか、この日の取引で5年債、7年債、10年債利回りが3週間ぶり、30年債利回りが2週間ぶりの低水準を付けた。

USバンク・プライベート・クライアント・グループの最高投資責任者(CIO)、ビル・ノーセイ氏は「トランプ政権、および共和党が主導権を握る議会が大統領選挙期間中にトランプ氏が掲げていた優先事項をどこまで押し進めることができるのか、先行き不透明感が高まった」と指摘。

市場ではトランプ政権の政策推進を阻んでいる共和党内の亀裂に対する懸念が出ているが、ノーセイ氏は国債利回りが過去2週間にわたり低下していることの主な要因としてインフレ率が根強く低迷していることが挙げられると指摘。「米国のインフレは連邦準備理事会(FRB)が描くシナリオに沿った動きを見せていないうえ、労働コスト、商品価格、コアインフレ率のいずれにも反映されていない」と述べた。

この日発表の経済指標では6月の輸入物価指数が前月比0.2%下落し、2カ月連続のマイナスとなるなど、軟調なインフレ動向があらためて確認された。

<株式> 米国株式市場は、主要株価指数が高安まちまちで取引を終えた。動画配信サービスのネットフリックス<NFLX.O>がけん引役となってナスダック総合指数が過去最高値を更新した一方、金融のゴールドマン・サックス<GS.N>がダウ工業株30種を押し下げた。

ナスダック総合指数は8営業日続伸し、2015年2月に記録した10営業日続伸以来の長期連騰となった。

ネットフリックスは13.5%急伸。第2・四半期に契約者数が520万人増加したと前日に発表したことが買い手掛かりとなった。

ゴールドマン・サックスは2.6%安。同社の四半期決算は債券トレーディング収入が40%減少した上、コモディティ事業も不振だった。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ドルが対ユーロで下落したことに伴う割安感などを背景に買われ、3営業日続伸した。

この日の金相場は朝方から堅調に推移。外国為替市場で未明からドル売り・ユーロ買いが先行し、ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことから、金が買われた。

また、トランプ米大統領が公約した医療保険制度改革(オバマケア)代替案をめぐり、またも可決に必要な過半数を与党共和党が確保できないことが前日夜に判明。トランプ政権が掲げる経済政策の実現性に懐疑的な見方が広がったことも、安全資産としての金買いを後押しした。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ドル安・ユーロ高に伴う割安感から買いが入って反発した。

この日の外国為替市場では、トランプ米政権の政策運営に懐疑的な見方が広がったことなどから、ドル売り・ユーロ高が進行。ドル建てで取引される商品に割安感が生じ、原油買いが誘われた。

ただ買い一巡後は、売り買いが交錯。米国内外で供給過剰懸念がくすぶっているため、上値は依然重かった。

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