[東京 19日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス<4901.T>傘下の富士フイルムは19日、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象とした開発中の治療薬「T−817MA」について、米国第2相臨床試験(フェーズ2)で、り病期間が短い患者の認知機能低下の進行を抑制するなどの効果を確認したと発表した。

今後、米食品医薬品局(FDA)など規制当局と今回の試験結果について協議し、第3相試験への移行を検討するとしている。

試験では、1)り病期間が短い患者群で認知機能低下の進行を抑制、2)神経細胞死を引き起こすタンパク質「リン酸化タウ」が脳せき髄中において減少、3)記憶や空間学習に関わる脳の「海馬」の委縮抑制の傾向──を確認したという。

「T−817MA」は富士フイルムHD子会社の富山化学工業が創出した治療薬。富士フイルムは他の医薬品メーカーに共同開発を呼びかける意向だ。

アルツハイマー型認知症は、10年後には世界で3000万人にのぼるとも予測されているものの、この15年間ほどは新薬の市場投入がないという。富士フイルムの伴寿一執行役員は、「(新しい)薬が非常に待望されている疾患」とコメントしている。

富士フイルムではFDAの優先審査対象となることを見込み、最短では2021年ごろの市場投入を想定している。

(浜田健太郎)