[19日 ロイター] - 米大手金融機関の第2・四半期決算が出そろった。大方の決算は市場予想を上回ったが、一段の好決算と楽観的な見通しを期待していた投資家に強い印象は残せなかった。

その中で、大手金融機関の締めくくりとなったモルガン・スタンレー(モルガンS)の決算は、ライバルのゴールドマン・サックスを上回るトレーディング益を計上し、好調さが際立った。

米銀のトレーディング益と住宅ローンは引き続き弱いものの、待望の金利上昇の恩恵も見え始めている。

米金融大手の決算の概要は以下の通り。

◎JPモルガン・チェース<JPM.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益1.71ドル(予想1.58ドル)

*収入(予想上回る)─264億1000万ドル(予想249億6000万ドル)

*記事[nL4N1K541K]

*押し上げ要因─貸倒引当金の減少(13.3%減)、ローンの増加(コアローンは8%増)

*押し下げ要因─住宅ローン部門の収入減少(26%減)、経費の増加(6.4%増)、債券を中心としたマーケット部門の収入減少(14%減)

*見通し─通年の純金利収入見通しを45億ドルから40億ドルに引き下げ、通年の平均コアローン伸び率見通しを10%から約8%に引き下げ、クレジットカードの損失率が上昇すると予想

◎バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益0.46ドル(予想0.43ドル)

*収入(予想上回る)─228億3000万ドル(予想217億8000万ドル)

*記事[nL3N1K94V4]

*押し上げ要因─純金利収入の増加(8.6%増)、消費者向けバンキング事業の利益急増(21.4%増)、収入に対する費用の比率が62.73%から59.51%に低下

*押し下げ要因─債券・為替・コモディティ(FICC)を中心としたトレーディング益の減少(9%減)

*見通し─第3・四半期は非常に好調だった前年同期との厳しい比較になると予想、第3・四半期の純金利収入は前期比で増加と予想、2018年末までにグローバルバンキング事業で200人を雇用へ、年間営業経費の削減目標(530億ドル)達成に自信

◎ウェルズ・ファーゴ<WFC.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益1.07ドル(予想1.01ドル)

*収入(予想下回る)─221億6000万ドル(予想224億7000万ドル)

*記事[nL4N1K54L3]

*押し上げ要因─貸倒引当金の急減(5億5500万ドルにほぼ半減)、純金利収入の増加(6.4%増)

*押し下げ要因─モーゲージ・バンキング部門の利益減少(18.8%減)、経費の増加(約5%増)

*見通し─訴訟関連費用が最高13億ドル増加と予想、自動車ローンは下半期も減少が継続と予想、モーゲージ部門の利益は競争激化で今後も「不安定」と予想

◎シティグループ<WFC.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益1.28ドル(予想1.21ドル)

*収入(予想上回る)─179億ドル(予想173億7000万ドル)

*記事[nL4N1K5497]

*押し上げ要因─トレーディング益の減少幅(7%減)が自社予想(12%減)を下回る、融資の増加(2%増)

*押し下げ要因─経費の増加(1.3%増)、債券・株式トレーディング益の減少(各6%減、11%減)

*見通し─株主資本利益率(ROE)の目標達成に自信示す

◎ゴールドマン・サックス<GS.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益3.95ドル(予想3.39ドル)

*収入(予想上回る)─79億ドル(予想75億2000万ドル)

*記事[nL3N1K94TB]

*押し上げ要因─経費の減少(約2%減)

*押し下げ要因─債券トレーディング益の大幅減少(40%減)、投資銀行部門の収入減少(3.2%減)

*見通し─債券トレーディング改善のため既存顧客とのビジネス拡大を模索

◎モルガン・スタンレー<MS.N>

*利益(予想上回る)─1株当たり利益0.87ドル(予想0.76ドル)

*収入(予想上回る)─95億ドル(予想90億9000万ドル)

*記事[nL3N1KA3X8]

*押し上げ要因─引受手数料増加による投資銀行部門の収入増加、ウェルスマネジメント部門の収入増加(9%増)

*押し下げ要因─債券トレーディング益の減少(4%減)

*見通し─合理化計画を完了する軌道に乗っていると表明、税制や規制改革を巡る不透明感がM&A(買収・合併)活動を圧迫する可能性が高いと予想