[21日 ロイター] - <為替> ドル指数が約1年ぶりの水準に低下した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が前日、ユーロ高について懸念を表明しなかったことに加え、トランプ米政権の政策運営に対する懸念が払しょくされていないことが重しとなった。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時93.854と、昨年6月以来の水準に低下。終盤の取引では約0.5%低下の93.885となっている。

ドラギ総裁がユーロ高に懸念を示さなかったことで、市場ではECBは年内にテーパリング(緩和措置の段階的な縮小)に着手する軌道から外れていないとの観測が拡大。オアンダ(トロント)の首席外為ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏は、「ドラギ総裁がユーロ高に対して踏み込んだ発言をしなかったことは、ユーロ買いを進めたい投資家に対するゴーサインとなった」としている。

このほか、トランプ米大統領とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑の捜査でトランプ政権が進める景気浮揚策の実施が阻害されるとの懸念がドルの重しになっている。

<債券> 国債利回りが低下。10年債利回りは3週間ぶりの低水準となった。ユーロが対ドルで2年ぶり高値をつけるなか、欧州中央銀行(ECB)が年内に資産買い入れの縮小に踏み切るか疑念が広がった。米株価がさえず、安全資産とみられる国債に買いが入った。ただ米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を来週に控え、全般的に薄商いだった。

持続的なユーロ高は欧州内の輸出やインフレを抑える可能性があり、現実となればECBは緩和縮小に向けた計画の先送りを強いられかねない。ユーロ<EUR=>はこの日、1.1677ドルと2015年8月24日以来の高値をつけた。こうしたなか、ドイツ10年債利回り<DE10YT=RR>は0.496%と2週間ぶりの水準に低下した。

終盤の取引で、米10年債利回り<US10YT=RR>は3ベーシスポイント(bp)超低下し2.230%。一時3週間ぶりの低水準となる2.225%をつけた。

一方、3カ月物財務省短期証券(Tビル)利回り<US3MT=RR>は1.17%に上昇し、2008年10月以来の高水準に迫った。議会が連邦債務の上限引き上げに失敗した場合の債務不履行(デフォルト)リスクが意識された。

<株式> 小幅安。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の低調な決算が嫌気されたほか、エネルギー株は原油安に追随する格好で下落した。連日最高値を更新していたハイテク株にも売りが出た。

GEは2.9%下落し、2015年10月以来の安値を更新。第2・四半期決算は60%近い減益となり、通年の利益とキャッシュフローが従来見通しの下限になると予想した。同業のキャタピラー<CAT.N>や3M<MMM.N>も連れ安となった。

反面、ハネウェル・インターナショナル<HON.N>は約1%上昇し、最高値を更新。第2・四半期決算が予想を上回ったほか、通年利益見通しの下限を上方修正した。

アルコスタ・キャピタル・マネジメントのエリック・オームスビー氏はこの日の株価動向について「ここ数週間好調だったことや、決算が消化されていることが背景にある」と指摘。「GEの決算はまずまずだったが、見通し引き下げが株価への重しとなった」と述べた。

<金先物> 対ユーロでのドル安に伴う割安感から買いが継続し、6日続伸した。中心限月8月物の清算値は前日比9.40ドル(0.75%)高の1オンス=1254.90ドルと、 中心限月ベースでは6月23日(1256.40ドル)以来約1カ月ぶりの高値となった。

<米原油先物> 7月の石油輸出国機構(OPEC)生産量が増加するとの見通しを受け、続落し た。この日から中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTI9月物の清算値は前日比1. 15ドル(2.45%)安の1バレル=45.77ドル。10月物は1.15ドル安の4 5.95ドルとなった。

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