[ワシントン 28日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は28日公表した年次「対外セクター報告書」で、ドルは米経済の短期的なファンダメンタルズに基づくと、10─20%過大評価されているとの認識を示した。ユーロ、円、人民元に関してはおおむねファンダメンタルズに沿っているとした。

対外セクター報告書では、主要国の通貨や対外収支を審査する。

IMFは、経常赤字は米国など一部の先進国に集中する一方、中国やドイツでは経常黒字が高止まりしていると指摘した。

またユーロの為替レートはユーロ圏全体としては適切としたが、ユーロの実質有効為替レートはドイツ経済のファンダメンタルズに基づくと10─20%低過ぎるとの見解を示した。

円は、2016年の値上がりを受けて、ファンダメンタルズに総じて整合すると指摘した。

近年のドルの値上がりは、相対的に米成長見通しが強いことに加え、ユーロ圏・日本と米国の金融政策の方向性の違い、トランプ政権による財政刺激への期待などが要因だと分析した。ただドル指数<.DXY>は年初以降8%超安と、2002年以来の大幅な下落となっている。

米政権に対しては、貯蓄率の改善や生産性向上に向けた構造改革の実施や財政赤字削減を通じて、高水準にとどまっている経常赤字の圧縮に努めるよう提言した。

IMFは、不均衡に適切に対処しなければ、保護主義の形で跳ね返ってくると警鐘を鳴らした。

人民元はファンダメンタルズに総じて一致するとする一方、2015、16年と減少傾向にあった中国の経常黒字が再び拡大しているとして、削減する必要があると指摘した。

英ポンドはファンダメンタルズに対し最大15%過大評価されており、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)後の不透明性が大きいとした。

メキシコペソと韓国ウォンはそれぞれファンダメンタルズに対し5−15%過小評価されていると指摘。メキシコペソについては、米国の保護政策リスクが和らぐにつれ、過小評価も反転する見込みとした。韓国については大規模な経常黒字の削減に向け内需の刺激が必要と述べた。

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