[ワシントン 9日 ロイター] - 米労働省が9日発表した第2・四半期の非農業部門の労働生産性(速報値)は年率換算で前期比0.9%上昇し、市場予想の0.7%上昇を上回った。ただ基調的な弱さは続いており、底堅い経済成長は実現しにくいことを示唆した。

第1・四半期は当初発表の横ばいから0.1%上昇へ上方改定された。

第2・四半期の前年同期比は1.2%上昇した。

前月比の内訳は、労働時間が2.5%増。2015年第4・四半期以来の大幅な増加となった。第1・四半期は1.6%増加していた。

労働時間の増加を反映し、1人あたりの生産は3.4%増と、2015年第1・四半期以来の大幅なプラスだった。前期は1.8%増加していた。

生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストは、年率換算で前期比0.6%増。第1・四半期は5.4%増加していた。第2・四半期の前年同期比は0.2%減となり、物価上昇が抑制されている可能性があることが示唆された。

政府は今回、国内総生産(GDP)統計と同様に14年までさかのぼり、数字を改定した。結果、16年の生産性は0.1%低下と、1982年以来初めてのマイナスとなった。潜在成長率が低下したことを示唆する。

生産性は07年─16年は年率1.2%上昇。上昇率は1947年─2016年の2.1%を下回り、米経済の潜在成長力が低下していることが示唆された。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「米国が直面している人口変動のなかで3%の経済成長率を維持するには、生産性の伸びは長期的な伸び率の2.1%を上回る必要があるが、現状はこれをはるかに下回っている」としている。

企業の旺盛な採用活動を反映し米経済が完全雇用に近づくなかでも賃金の伸びが鈍いことの背景に生産性の低迷があるとの指摘も出ている。

生産性が低迷していることはトランプ米大統領にとって凶報だ。トランプ氏は、減税やインフラ投資、規制緩和を通して経済成長を年率で3.0%まで押し上げると公言している。経済成長は05年以来3%以上となったことがない。第2・四半期GDPは年率で2.6%増だった。

エコノミストらは、ベビーブーム世代が退職する中で労働力が不足していることが生産性の弱さにつながっていると指摘する。一部の地域で薬物中毒が蔓延していることも響いているという。8日に発表された6月の求人件数は過去最高の616万3000件だった。

労働生産性が低迷する理由として設備投資が少ない点を挙げる者もいる。資本労働比率が急激に低下したとの指摘だ。

生産性の計算方法が特に情報技術の分野で不正確だとの指摘もある。

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