[ロンドン 11日 ロイター] - 11日は世界的な株安となり、新興国の主要株価指数も、英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を選んだ2016年6月以来の下げ率に近くなった。

MSCI新興国市場指数<.MSCIEF>は1月の高値から25%超下落した。天井から20%超の下落は弱気相場と定義されるが、8月にこの節目を超え、さらに深く沈んでいる格好だ。

MSCI指数の時価総額で見ると、約1兆1000億ドル(約124兆円)、率にして18%が失われた。世界全体の株式時価総額の減少率に比べて倍以上だ。

背景には、米長期金利の上昇、ドル高、調達コストの上昇、国内の景気減速、米中貿易摩擦の激化、原油価格上昇といった悪材料が重なっている。

新興国市場コンサルタント会社、エクストラットのジョン・ポール・スミス氏は「世界株式の急激な調整は、多くの異なる要因が重なった結果であり、不可避だ。しかし最も重大なのは、中国の経済と金融市場が危うさを増していることだ」と語る。

ブラックロックの首席投資ストラテジスト、リチャード・ターニル氏によると、足元の新興国株の下落は比較的限られた銘柄が主導した。「MSCI新興国株指数のワースト10銘柄が、下落分の約40%を占めている」という。

下落率ワースト10銘柄のうち6社が中国企業で、電子商取引の京東商城(JDドットコム)<JD.O>、アリババ・グループ<BABA.N>、インターネット検索の百度(バイドゥ)<BIDU.O>、ネットゲームやソーシャルメディアの騰訊控股(テンセント)<0700.HK>とハイテク系が目立ち、銀行の中国建設銀行と中国工商銀行(ICBC)<601398.SS>がこれに加わる。

あとの4社は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(フォックスコン)<2317.TW>、韓国サムスン電子、南アフリカの複合企業ナスパーズ<NPNJn.J>、ロシアの銀行ズベルバンク<SBER.MM>だ。