[ワシントン 19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が19日公表した1月28─29日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、政策当局者は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う新たなリスクを認める一方、年内の金利据え置きについて慎重ながらも楽観的な見方を示したことが分かった。

FRBは前回のFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50─1.75%に据え置くことを全会一致で決定。議事要旨では、当局者がインフレ目標の大幅な再考について懐疑的であったことも示された。

議事要旨は「参加者は総じて、経済活動見通しのリスク配分が前回会合よりも幾分好ましい状態との見方だった」とした。現在の政策スタンスが「当面」適切との見方を示した。

19年に3回利下げしたFRBは昨年末から、20年は金利を据え置く予定であることを明確にし、米経済見通しもおおむね維持。政策当局者は、米個人消費の水準や米中貿易摩擦の沈静化、緩和的な金融状況を理由として挙げてきた。ただ中国で発生した新型ウイルスの感染拡大による世界経済への影響に関して懸念が高まっており、前向きな見方がどの程度続くかは定かでない。

米アップル<AAPL.O>は17日、コロナウイルスの感染拡大がサプライチェーンに混乱を招いているとし、軟調な売り上げ見通しを示した。経済規模が世界2位の中国では、感染拡大を防ぐために厳しい移動制限が導入。製造業は依然として通常操業に戻っていない。

パウエルFRB議長は先週、米経済へ波及する影響が金融政策を変えるほど深刻かどうか、長期間続くかどうかについて判断するには時期尚早との見方を示した。

感染拡大が始まって以降、投資家はFRBの利下げ時期の観測を6月ごろまで前倒しした。議事要旨で当局者は、感染拡大のリスクは「注視すべきだ」とした。

それでも、FRBは米経済について比較的明るい見方を表明。個人消費は「底堅さを保つ可能性が高い」ほか、雇用は健全なペースで伸び、経済は緩やかに拡大し続け、物価は目標の2%上昇へ回帰すると見通した。FRBは20年の経済成長見通しを2.0%増としている。

ただ、会合以降の統計はこうした見方に相反した内容になった。商務省が先週発表した1月の個人消費は鈍化。設備投資の低迷は悪化し、製造業部門は軟調なままだ。

金融政策の検証の一環で物価目標を再考することに関しては、物価目標の範囲を設けることに懐疑的な見方があった。議事要旨によると、「ほとんどの参加者は、許容範囲が上下対称(シンメトリック)な物価目標を導入することで、委員会が物価目標を常時下回ることを容認していると誤解される可能性があるとの懸念を示した」。

そのほか、政策当局者はバランスシートの拡大の対処法について協議した。FRBは金融市場の逼迫を受け銀行システム内の準備金を増やすために2019年10月以降、月額約600億ドルの財務省証券を買い入れている。パウエルFRB議長は、準備金が十分な水準に達すると見込まれる4−6月期のいずれかの時点で買い入れ額を縮小すると述べてきた。議事要旨は、その後に「FRBの債務の傾向的な伸びに対応して十分な準備金を維持するために、長期にわたり定期的な公開市場操作(オペ)が必要となる」とした。

FRBはまた、レポ市場での資金供給オペを少なくとも4月まで続ける姿勢だ。ただ議事要旨によると、FRBスタッフは会合で、タームレポをその後、段階的に廃止することを提案。意見を述べた政策当局者は理解を示した。

複数の政策当局者は、「近いうちに」常設レポファシリティー導入の可能性について議論を深めたいとした。常設レポファシリティーで銀行は必要に応じて固定金利で資金を調達できる。

*内容を追加しました。