[東京 14日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)<9984.T>は14日、英半導体設計企業アーム・ホールディングスの全株式を米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>に最大400億ドル(約4兆2000億円)で売却することで最終契約したと発表した。アームの再上場も検討していたが、エヌビディアとの組み合わせの方がSBGの株主価値向上につながると判断した。

SBGは、傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドと合わせてアームの株式を100%保有する。SBGは2016年にアームを310億ドルで買収していた。連結業績への影響は判明し次第公表する。SBGとビジョンファンドは取引完了後、エヌビディアの自己株を除く発行済株式の約6.7ー8.1%を保有する見込み。

取引完了後にはアームは連結対象から除外される。取引完了には英中欧米を含む当局の承認が必要で、約1年半かかる見込み。取引完了の蓋然性が高いと見なされるまでは連結損益計算書で引き続き継続事業として扱われる。

まずアームに20億ドルが現金で支払われ、取引完了時に SBGとソフトバンク・ビジョン・ファンドに100億ドルが現金で、215億米ドルがエヌビディアの普通株式で支払われる。

アームの業績が一定の財務指標を達成することを条件にSBGとビジョン・ファンドはアーンアウトとして最大50億ドルをエヌビディア株式か現金で受け取る。このほか、15億ドル相当のエヌビディア株式報酬がアーム従業員に与えられる。

アーム株の売却について、SBI証券の森行眞司シニアアナリストは「今回のディールにはエヌビディア株取得も含まれており、同社との今後の関係が確保される。コロナ禍の環境下で将来に向けた現金比率を高める意味でも違和感はない」と指摘している。

S&Pグローバル・レーティングの西川弘之上席アナリストは「資産を入れ替えながら、財務健全性に留意しながら運営していくところがみられればポジティブ」と話す。S&PはSBGの格付けのアウトルック(見通し)を3月に「ネガティブ」に引き下げたが、当時に比べ「資産売却が大きく進んで、少し安心感が増している」とみている。

「ステーブル(安定的)」に戻るには「有利子負債を削減し、将来の投資再開や再び金融市場が大きく悪化した場合に備えて、投資余力と資金調達余力を高めることが鍵になる」としている。

*アナリストのコメントなどを追加しました。

(平田紀之 編集:青山敦子)