[6日 ロイター] - 米下院司法委員会の反トラスト小委員会は6日、巨大IT(情報技術)企業に対する反トラスト法(独占禁止法)調査の報告書を公表した。買収を通じて競合を排除するなど支配的な地位を利用していると指摘し、広範な規制改革を求めた。

449ページにわたる報告書では、アルファベット<GOOGL.O>傘下グーグル、アップル<AAPL.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>、フェイスブック<FB.O>の4社が「キラー買収」によって競合に打撃を与え、法外な手数料を課しているほか、中小企業に「抑圧的」な契約を結ばせていると指摘。

分野が近い事業を支配すると同時に同事業で競合すべきではないとし、構造的な分離を提言した。ただ、特定企業の分割を求めることは踏みとどまった。

各社が市場での支配的な地位を乱用した事例を列挙し、反トラスト法の広範な見直しを提言した。

報告書の公表を受けてグーグルは「変化の速い極めて競争的な業界で当社は公正に競争している。検索などのサービスに関する競合他社の不正確で古い主張に基づくこの報告書に反対する」との声明を発表した。

フェイスブックは「買収は全ての業界で行われることであり、人々により多くの価値をもたらすために新しい技術革新を実現する方法の1つだ」と表明した。

アップルは「監視は妥当で適切だが、報告書の結論には強く反対する」とした上で、自社の手数料水準は妥当だと強調した。

<規制改革を提言>

民主党のシシリン下院議員が率いる反トラスト小委員会は、1年以上かけて130万点以上の資料や300回を超える聴き取りを基に調査を実施。報告書では、IT大手が特定のマーケットプレースを運営しながら自らもそれに参加していると指摘し、「他社向けのルールを策定しつつ自社は別のルールで活動できる地位にある」と問題視した。

同小委員会は対策として、相互に関連した事業をIT大手が手掛けることを禁止するよう提言。特定の企業は名指ししなかったが、この提言が採用された場合、オンライン広告スペースのオークションを運営しながら自ら入札に参加するグーグルは、両事業を明確に分けるか、もしくは撤退することを求められる可能性がある。

フェイスブックによる2012年のインスタグラム買収もこうした例の1つだ。当時インスタグラムは小規模だったが、報告書によると、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はインスタグラムに将来性を見いだし、「当社と競合するネットワークを築いている」、「当社にとって破壊的となる可能性がある」と警戒していたという。

報告書ではさらに、巨大IT企業による潜在的な競合の買収を阻止する反トラスト法当局の裁量を拡大するよう議会に求めた。

反トラスト小委員会は10月の休会後に、報告書を正式に採択するか検討し、採決を実施する見通し。ただ、議会が報告書の提言を踏まえて年内に何らかの対応を取る可能性は低い。

*企業側の反応などを追加しました。