[7日 ロイター] -

<為替> ドルは小幅安。11月の米大統領選挙前に少なくとも部分的な追加経済対策が策定される可能性があるとの期待が出たことで、リスク選好度が改善した。

新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領は退院から一夜明けた6日、「大統領選が終わるまでコロナ対策を巡る協議を停止するよう指示した」と突然表明。その後、議会は航空業界向けに250億ドルの雇用維持支援を迅速に策定するべきとの見解を示した。

シリコンバレーバンク(カリフォルニア州サンタクララ)のシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏は「経済支援策の一部は復活するとの期待が生まれた。市場で楽観的な見方が出たことで、ドルが軟化した。つまりは『リスク概念』で動いている」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.19%安の93.64。昨日はトランプ氏のコメントが伝わる前、93.33と、2週間ぶりの低水準を付けていた。

ドル/円<JPY=>は0.40%高の106.04円。ユーロ/ドル<EUR=>は0.26%高の1.1765ドル。

大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が勝利するとの見方が出ていることも、ドル軟調の要因となっている。TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は「外為市場では、バイデン氏の当選だけでなく、民主党の地滑り的勝利が織り込まれ始めている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)がこの日に公表した9月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、FRBが8月に示した新戦略の適用方法を巡り当局者の間で見解の相違があったことが判明。ただドル相場に大きな影響は出なかった。シリコンバレーバンクのトラン氏は「議事要旨に特に想定外の記述はなかった」としている。

<債券> 国債価格は下落(利回りは上昇)。トランプ大統領が新型コロナウイルス関連の包括的な景気刺激策の協議を停止すると表明後、航空会社支援策や中業企業向け対策について議会に承認を求めたことで市場に期待が戻った。

この日実施された350億ドルの10年債入札がまずますと評価されたことも、利回り上昇につながった。8日には230億ドルの30年債入札が行われる。10年債入札の応札倍率は2.47倍で、前月の2.30倍などを上回った。

前日はトランプ大統領が民主党との新型コロナウイルス経済対策を巡る協議を11月の米大統領選挙後まで停止すると表明。その後、旅客需要の急減で大規模な人員削減を迫られている航空業界向けの250億ドルの雇用支援などを早急に延長するよう議会に求めた。

カンター・フィッツジェラルドの米債トレーダー、ジャスティン・レデラー氏は、救済の可能性はまだあるとし、「全体的に見れば、景気刺激策は遅れる可能性があるものの、最終的には承認されるだろう。内容は分からないし、選挙で誰が勝つかにもよるだろう」と話した。

午後の取引で、10年債利回り<US10YT=RR>は前日終盤の0.74%から0.786%に上昇。同利回りは前日に6月以来の高水準に上げる場面があった。

30年債利回り<US30YT=RR>は1.593%と、前日の1.537%から上昇。前日は一時4カ月ぶりの高水準を付けた。

イールドカーブはスティープ化し、10年債と2年債の利回り格差<US2US10=TWEB>は63ベーシスポイント(bp)に拡大した。

投票日まで1カ月を切った大統領選の世論調査でバイデン氏がトランプ氏にリードを広げていることや、民主党が上下両院の議会選で勝利する可能性があることも、利回り格差の拡大要因だとアナリストは指摘。民主党の勝利は歳出拡大と国債増発につながるとみられている。

シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディクレター、トム・ディガロマ氏は、「イールドカーブがさらにスティープ化した場合、米連邦準備理事会(FRB)はイールドカーブコントロール導入を決め、長期債の買い入れを始めるだろう」と述べた。

FRBがこの日公表した9月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、FRBが8月に示した新戦略の適用方法を巡り、当局者の間で見解の相違があったことが分かった。米債市場は議事要旨にほとんど反応しなかった。

<株式> 大幅高。米国の新型コロナウイルス追加対策を巡り、少なくとも個別の法案で合意に達する可能性があるとの楽観的な見方が広がった。

新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領は退院から一夜明けた6日、「大統領選が終わるまでコロナ対策を巡る協議を停止するよう指示した」と突然表明。その後、航空業界向けの雇用維持支援を含む一連の個別の支援策を議会は迅速に策定すべきとの見解を示した。

この日の取引では航空株に買いが入り、 ユナイテッド航空<UAL.N>は4.3%上昇した。

ウェドブッシュ・セキュリティーズ(ロサンゼルス)の株式トレーディング部門マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「昨日の株価下落の唯一の要因はトランプ大統領のツイートだったが、これは本人によりその後、打ち消された。このため、きょうは相場が勢いを取り戻した。市場では何らかの経済支援策を巡る合意が近く得られるとの強い観測が出ている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)がこの日に公表した9月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、FRBが8月に示した新戦略の適用方法を巡り、当局者の間で見解の相違があったことが判明。これを受けても米株価は上げ幅を維持した。

個別銘柄では、製薬大手イーライリリー<LLY.N>が3.4%高。この日、開発中の新型コロナウイルス抗体療法の緊急使用認可を米食品医薬品局(FDA)に申請したと発表した。

大統領選が迫る中、この日の夜に実施される共和党のペンス副大統領と民主党の副大統領候補ハリス上院議員の討論会が注目されている。

6日に結果が公表されたロイター/イプソスの世論調査では、激戦州のミシガン州で民主党の大統領候補、バイデン前副大統領のリードが拡大。ウェドブッシュのジェームズ氏は「バイデン氏のリードが自然に受け止められ始め、市場では民主党が政権を奪還した場合のプラスの効果が注目されている」と述べた。

市場では大統領選のほか、来週にも始まる第3・四半期の企業決算発表も注目されている。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.77対1の比率で上回った。ナスダックでは3.32対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は89億8000万株。直近20営業日の平均は97億9000万株。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、 投資家のリスク選好意欲の高まりを背景に続落した。

中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比18.00ドル(0.94%)安の1オンス=1890.80ドル。

トランプ米大統領は6日、追加の新型コロナウイルス経済対策について、「(与党共和党側に)大統領選後まで交渉の停止を指示した」と表明。ただ同氏はその後、航空会社支援策や中小企業支援策、1人当たり1200ドルの現金給付については支持する考えをツイッターに投稿した。これを受けて、追加経済支援に対する期待が広がり、米株相場は反発。半面、安全資産とされる金は売り圧力にさらされた。

金塊現物相場は午後1時半現在、14.750ドル安の1888.295ドル。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米追加経済対策をめぐる不透明感が相場の重しとなり、反落した。

米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前日比0.72ドル(1.77%)安の1バレル=39.95ドル。12月物は0.70ドル安の40.23ドルだった。

トランプ米大統領は前日、追加経済対策の議会との協議打ち切りを表明。一部が実施されるとの期待もあるものの、経済対策の行方に不透明感が広がり、需要への影響が懸念された。

また、米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週報によると、2日までの 1週間の米原油在庫は50万バレル増と小幅積み増しとなり、市場予想(ロイター拡大版調査、30万バレル増)を若干上回った。

ただ、大型ハリケーン「デルタ」がメキシコ湾岸の石油・天然ガス施設の操業に影響を及ぼすとの懸念が支援材料。ノルウェーの一部石油・天然ガス生産施設でのストライキも引き続き相場の下支えとなっている。

ドル/円 NY終値 105.96/105.99 <JPY21H=>

始値 106.07 <JPY=>

高値 106.08

安値 105.86

ユーロ/ドル NY終値 1.1760/1.1764 <EUR21H=>

始値 1.1758 <EUR=>

高値 1.1782

安値 1.1759

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 95*03.50 1.5811% <US30YT=RR>

前営業日終値 96*04.50 1.5370%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*16.00 0.7835% <US10YT=RR>

前営業日終値 98*29.00 0.7400%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.00 0.3387% <US5YT=RR>

前営業日終値 99*21.75 0.3150%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.25 0.1527% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*30.63 0.1470%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 28303.46 +530.70 +1.91 <.DJI>

前営業日終値 27772.76

ナスダック総合 11364.60 +210.00 +1.88 <.IXIC>

前営業日終値 11154.60

S&P総合500種 3419.44 +58.49 +1.74 <.SPX>

前営業日終値 3360.95

COMEX金 12月限 1890.8 ‐18.0 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1908.8

COMEX銀 12月限 2389.6 ‐2.5 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 2392.1

北海ブレント 12月限 41.99 ‐0.66 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 42.65

米WTI先物 11月限 39.95 ‐0.72 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 40.67

CRB商品指数 149.5615 +0.0557 <.TRCCRB>

前営業日終値 149.5058