和田崇彦、木原麗花

[東京 12日 ロイター] - 自民党の山本幸三金融調査会長は12日、ロイターのインタビューで、日銀が中銀デジタル通貨(CBDC)を発行するなら、日銀法改正が必要で、その場合は金融政策の目的も含めて議論すべきだと話した。具体的には、米連邦準備理事会(FRB)のように雇用の最大化と物価安定を日銀の金融政策の目標として明記するとともに、2%のインフレ目標も盛り込むことが望ましいと述べた。

また、CBDCの実証実験を今年度中に始めるべきだと述べた。

山本氏は日銀に大胆な金融緩和を求めるリフレ派の論客の1人。日銀法の改正に向け、CBDC導入と金融政策の目的に関する議論を「どうせなら一緒にやった方がいい」と指摘。「米国みたいに雇用と物価安定を目標にし、目標については政府と日銀が共同で決め、手段は日銀に任せる。そのことをはっきり書くべきだ」と述べた。

コロナ禍の金融政策運営については「現状は新型コロナウイルスの影響もあって自然利子率がマイナスだろう。それを実質金利マイナスにするにはインフレ期待を上げないといけない」と指摘。インフレ期待の引き上げには「今は財政しかない」と述べ、日銀は政府に対し、財政拡大を求めていくべきだと主張した。

日銀は9日に公表したCBDCの取り組み方針で、実証実験の第1弾を来年度の早い時期に始めることを目指すとしていた。山本氏は「遅すぎる」と述べ、金融調査会として、日銀法の改正や関連法制の整備を急ぐよう財務省に求めていく考えを示した。

山本氏は、フェイスブック<FB.O>の仮想通貨「リブラ」の発行構想を念頭に、世界的なデジタルプラットフォーマーがデジタル通貨を発行して広範に流通すれば「通貨単位としての円が要らないということになりかねない」と危機感を示し、デジタル円の発行を急ぐべきだと述べた。

乱立するスマホ決済の相互運用性が高まることも、デジタル通貨の発行を急ぐべき理由に挙げた。山本氏は、新たな決済インフラの整備は日銀が担い、民間事業者は決済インフラではななくそのインフラを利用したサービスで競うのが望ましいと話した。

日銀はCBDCを発行する場合、クロスボーダー決済について「各国中央銀行の動きなどをしっかりフォローしながら、国内利用だけでなく、クロスボーダー決済への活用可能性を確保していくことが望ましい」としている。山本氏は「国際送金はものすごく手数料が高い。これを無料でできるようにすべきだ」と述べた。

(和田崇彦、木原麗花 編集:石田仁志)