[ソウル/サンフランシスコ 20日 ロイター] - 韓国の半導体大手SKハイニックス<000660.KS>は20日、米インテル<INTC.O>のNAND型フラッシュメモリー事業と中国・大連にある製造工場を90億ドルで取得すると発表した。対価はすべて現金で支払う。

SKハイニックスによると、取得するNAND事業には、インテルのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)事業、NAND製品、ウエハー事業が含まれる。

インテルによる非中核事業売却の取り組みの一環とみられ、市況変動の激しいNAND市場から離れ、一段と高度な技術を採用しているため収益性の高い「Optane(オプテイン)」メモリー事業に専念することになる。一方、SKハイニックスにとっては過去最大の買収案件で、同社はNANDの生産能力の引き上げと価格決定力の向上に注力している。

同社の株価はインテルからの事業取得のニュースを受けて大幅高となったが、その後、バリュエーションを巡る懸念から下げに転じて2%安となった。

ユジン投資証券のアナリストは「株主は今回の案件を否定的に捉えている。価格が高すぎると考えているからだ。他のメモリーメーカーにとっては、業界再編につながる話なので良いニュースだ」と指摘した。

NANDメモリー市場で4位だったSKハイニックスはインテルのNAND事業取得により、市場シェアは23.2%となり、キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)<6600.T>(17.2%)を抜いて2位に浮上。首位の韓国サムスン電子<005930.KS>(31.4%)との差を詰めることになる。

SKハイニックスは、買収額のうち70億ドルを最初の買収完了期限である2021年終盤までに支払い、残りの20億ドルは次の期限の25年3月までに支払う計画だとした。

インテルのNANDとオプテインを含む部門は2019年通期決算で4年連続の赤字となった。ただ、今年上半期は黒字化している。SKハイニックスもNAND事業で赤字を出してきた。

アナリストは、米中間の緊張がインテルが中国のNAND工場売却を決定するのに影響を与えた可能性があると分析。

同社のボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は発表文で「この決定によって当社は差別化した技術への投資をさらに優先できるようになる」とした。

市場調査会社トレンドフォースによると、新型コロナウイルス流行に伴う在宅勤務の拡大で、パソコンやサーバー向けの需要が急増したため、4─6月期のNANDフラッシュメモリー業界は好調だった。

SKハイニックスの李錫熙(イ・ソッキ)社長兼CEOは文書で「当社を取り巻く競争環境は容易なものではないが、DRAMと同様にNAND事業でも確固たる地位を確立するため、大きな前進に向けて大胆な決定を下した」とした。

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