[13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は13日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための都市封鎖(ロックダウン)措置が強化される中、雇用は減少しており、経済活動は過去数週間で控えめな伸びにとどまったという認識を示した。

有効な新型コロナワクチンの接種が始まったことによる楽観的な見方は、新型コロナ感染の増加により後退している。パンデミック(世界的大流行)の影響が地区や産業によってまちまちであることがベージュブックによって明らかになった。

ベージュブックは楽観的な見方の要因として、新型コロナワクチンの接種開始に繰り返し言及。その数は10回に及び、12月上旬に公表された前回のベージュブックから倍増している。

一方、「新型コロナワクチンが開発される可能性により、企業の2021年の前向きな見方が強まったが、最近見られる感染再拡大や短期的な企業への影響に対する懸念が楽観的な見方を抑制している」とした。

昨年5月以来初めて、一部の地区で経済活動が明白に減少した。

大半の地区の調査先が経済活動の伸びを報告したものの、ニューヨーク地区とフィラデルフィア地区は活動が弱まった。クリーブランド地区は、感染増加により勢いが鈍化したと報告。セントルイス地区とカンザスシティー地区はほぼ変わらなかった。

大半の地区は雇用が増えたと報告したが、ペースは遅かった。前回報告から「雇用水準が減ったと報告する地区が増えた」という内容が不安材料だ。

製造業と建設業、輸送業は引き続き雇用が伸びたが、ベージュブックによると「娯楽・接客業の調査先は、封鎖措置の強化により改めて雇用を減らしたと報告した」。

米国で新型コロナ感染が急増する中、20年12月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の新規就業者数が前月より14万人減り、8カ月ぶりのマイナス。経済回復が勢いを失っていることを示唆した。

消費者向け事業にとって厳しい環境が続く中、一部の企業は新型コロナ体制に急速に順応していることがベージュブックから分かった。

例えばボストン地区では、ある衣料小売り店で客足が前年から30%減った一方、オンラインの売り上げやその他の要因により11月の売上高は前年同月比で約5%増えた。

ベージュブックは「この小売店は2020年を通して売り上げがやや伸びた。店舗の運営費用が減ったことや、ここ数年と比べ宣伝費が少なかったことで利益が増えた」とした。

アナリストやFRB当局者は、新型コロナワクチンや政府による新たな支援策により21年下半期に経済が持ち直す可能性があると指摘する。

昨年12月末に議会で可決された9000億ドル規模の支援策は米経済を春まで下支えできる見込みだ。また、バイデン次期政権が支援策を拡大するほか、新型コロナを抑制する対策を強化するとの見方が高まっている。

ワクチン配布は経済成長への期待に加え、すでに一部の経済活動を押し上げている兆しがある。シカゴ地区の報告によると、ワクチンには特定の低温貯蔵が必要であることから、一部のエタノール製造業者にとって「ドライアイス用の二酸化炭素などの副産物の需要が増えている」という。

FRBは、経済がより安定するまで、短期金利を低水準に据え置き、資産買い入れを維持すると繰り返し主張している。次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は1月26─27日に開催される。

今回の報告は1月4日までに全12地区で入手された情報に基づきサンフランシスコ地区連銀がまとめた。

*内容を追加しました。