[北京 20日 ロイター] - 中国の国内総生産(GDP)が予想を上回る一方で小売売上高が振るわず、政策顧問らは政府が経済政策を調整し消費を促すとの見方を示している。

短期的には雇用支援が鍵を握っているが、消費の拡大には国民の収入を増やす改革が必要としている。中国国務院(内閣に相当)の顧問を務めるYao Jingyuan氏は「収入を増やす方法を協議する必要がある」と語った。

顧問らによると、都市への移住拡大や最低賃金の引き上げ、大都市圏での自動車販売制限などの規制の緩和が政策手段として検討される可能性がある。

中国国家統計局が18日発表した2020年の国内総生産(GDP)は前年比2.3%増加し、主要国で唯一プラス成長を維持した。その一方で小売売上高は3.9%減少し、1968年以来のマイナスを記録した。

アナリストは賃金カットや貯蓄拡大、失業増加、新型コロナウイルスを巡る懸念などが低調な消費の背景にあるとみている。

<雇用が鍵>

中国政策科学研究会のXu Hongcai氏は「まず雇用の安定化から始めるべきだ。雇用を確保して初めて一般の人々の所得を増やすことができる」と指摘した。

最低賃金の引き上げや、農村部から都市部への移住拡大、社会的セーフティーネットの強化も長期的に収入と支出の拡大につながるとの見方を示した。

またYao氏は「北京などの大都市では自動車の販売が制限されている。ロンドンやニューヨーク、東京ではそういった規制はない」と述べ、一部の規制を緩和すべきとの考えを示した。

ロックダウン(都市封鎖)や厳格な移動制限により収入が打撃を受けた。2020年の都市部の可処分所得は1.2%増と前年の5.0%増から減速した。

消費を控え貯蓄を増やす動きが強まり、中国人民銀行(中央銀行)のデータによると、2020年の家計の貯蓄は11兆3000億元(2466億9000万ドル)増加し、前年の9兆7000億元増から伸びが拡大した。