[1日 ロイター] - 米半導体工業会(SIA)は1日公表したリポートで、世界の半導体サプライチェーン(調達供給網)は各種サプライヤーが特定地域に集中しているため、自然災害や地政学的な混乱に対する脆弱性が一段と強まっていると警鐘を鳴らした。

現在の半導体製造工程は何千段階にもおよび、世界中から複雑な知的財産や製造装置や化学製品をかき集める必要がある。SIAによると、サプライチェーンの50を超える分野では、たった1つの地域が市場シェアの65%以上を握っている。

最先端半導体を設計する知的財産とソフトを支配しているのは米国で、半導体製造に欠かせない特殊ガスは欧州。最先端半導体の製造は完全にアジアが担っており、中でも台湾がその92%を占める。

リポートは「台湾で半導体製造が1年できなくなれば、世界の電子機器産業は約5000億ドルの減収に見舞われる。世界の電子機器のサプライチェーンは機能を停止することになるだろう」と指摘した。

ただサプライチェーンを自国内で再構築し国内で完結させようとする各国政府の取り組みは、世界全体で1兆2000億ドル、米国だけでも4500億ドルもの費用がかかり、半導体価格の高騰につながる以上、非現実的だとみている。

リポートは、むしろ各地域に今欠けているサプライチェーン部分を最低限度、穴埋めできるようにすることを呼び掛けている。米国や欧州では、台湾と韓国への集中を緩和するような新型半導体の製造拠点を新たに設けることを提言した。