[ワシントン 6日 ロイター] - イエレン米財務長官は6日、米国の急速な回復が世界全体の成長を押し上げる一方、新型コロナウイルス危機により露呈したノンバンクや世界的なサプライチェーン(供給網)、社会的セーフティーネットの弱点を補うにはさらなる努力が必要だと訴えた。

国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季総会で講演し、バイデン政権は長期にわたる失業に伴う悪影響を回避するため「大胆」な対策を講じることを決定したほか、来年には米国経済が完全雇用に戻るよう期待していると表明した。

コロナ危機は世界的に大きな打撃を与えており、長年にわたる貧困削減の進展が危機によって覆されないようにすることが先進国の責務であると強調。「われわれは(世界)金融危機の教訓である『支援を早急に打ち切らない』という点に注意を払う」と述べ、「能力のある全ての先進国に対し、世界経済全体の成長のために、世界的な回復を支援し続けることを求める」と語った。

IMFの準備資産である特別引き出し権(SDR)については、新規配分を巡って合意への進展に期待を示すとともに、危機によって悪化した世界の債務問題に取り組むことが重要であると確認した。

同氏は国際社会が次の公衆衛生の危機への備えを万全にすることが非常に重要だとし、世界各地のサプライチェーンと社会的セーフティーネットの耐性を改善する必要性に言及した。

銀行業界については、中核部分は2008─09年の金融危機後に強化されたが、ノンバンクの一部はコロナ禍で「極度の緊張」を示したため、留意が必要だと語った。

イエレン氏はまた、バイデン政権が自国の気候変動問題に取り組み、発展途上国で同様の活動を可能にするために必要な「資源の移転」を確保することにも尽力していると強調した。

「途上国が開発目標と並行して気候変動目標を達成できるようにわれわれが確実に支援を行う必要がある。これにはグリーンファイナンス(環境に配慮した投資)を活用できるようにすることが極めて重要となる」と続けた。

IMFのゲオルギエバ専務理事は気候変動リスクによる経済と金融の安定への脅威が増していると指摘し、IMFはリスク報告の標準化や、ストレステストの実施、監督当局の役割検証といった取り組みを加速していると説明した。

また、IMFの金融セクター評価に気候変動関連リスクを組み入れているほか、他の機関と協力し、四半期ごとのマクロ経済報告書の中で炭素集約度など気候変動リスクに関するデータを増やしていると述べた。各国がマクロ経済政策に気候変動を踏まえるスピードを加速できるよう連携しているとも語った。

*IMFのコメントなどを追加しました