[北京 11日 ロイター] - 中国国家統計局が11日発表した4月の生産者物価指数(PPI)は、前年比6.8%上昇した。伸び率はアナリスト予想の6.5%を上回り、2017年10月以来3年半ぶりの高水準となった。景気回復の勢いが強まっている。

3月は同4.4%上昇だった。

ただ、アナリストはコスト上昇分が消費者に完全に転嫁される可能性は低いとみている。

キャピタル・エコノミクスのアナリストはリサーチノートで「政策の引き締めが建設活動を圧迫し、年内に工業用金属価格が下落する見通しを踏まえると、上流部門の価格上昇圧力の高まりはおおむね一時的とみられる」と指摘。「大きな政策転換につながるほどのインフレ高進は予想していない」とした。

中国当局は景気回復を妨げかねない急激な政策転換は回避すると繰り返し表明しているが、徐々に政策正常化を進めており、特に不動産の投機を厳しく取り締まっている。

PPIデータでは、石油・天然ガス採掘セクターが85.8%の伸びを示し、上昇をけん引した。金属加工セクターの伸びは30%だった。

ただPPIは前月比では0.9%上昇と3月の1.6%上昇から伸びが鈍化した。

INGの大中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は、世界的な半導体不足の影響が家電や自動車、コンピューターに波及しており、消費者が今後、価格上昇に直面する可能性があると指摘。「半導体価格の上昇がすでに冷蔵庫や洗濯機、テレビ、ノート型パソコン、自動車の価格を押し上げているとみられ、これらの製品の価格は4月に前月比で0.6─1.0%上昇した」と語った。

<CPI上昇率はなお緩やか>

4月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.9%上昇と小幅な伸びにとどまった。ロイターがまとめた市場予想は1.0%上昇、3月は0.4%上昇だった。

サービスセクターが回復する中、4月は非食品セクターが価格上昇をけん引した。

国家統計局の盛来運副局長は7日の新聞インタビューで、世界的な輸入インフレからの圧力が高まっているにもかかわらず、中国のCPI伸び率は通年で目標の約3%を大幅に下回る見通しだと述べた。

盛氏は、中国のインフレ率が抑制される見通しについて、現在のコアインフレ率が低いことや、需要を上回る供給、比較的抑制されたマクロ政策支援、豚肉の供給回復、PPI上昇によるCPIへの限定的な影響といった経済のファンダメンタルズを要因に挙げた。

変動の激しいエネルギーと食品を除いたコアインフレ率は4月に0.7%となり、3月の0.3%を上回った。

食品価格は前年比0.7%下落、前月比では横ばいだった。供給増を背景にした豚肉価格の下落が重しとなった。

*アナリストのコメントなどを追加しました。