[12日 ロイター] - 半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が、米アリゾナ州の半導体工場に数百億ドル規模の追加投資を検討していることが、複数の関係筋の話で分かった。一方で欧州の生産強化の話は進んでいないという。

TSMCは昨年、100億─120億ドル投じてアリゾナ州フェニックスに半導体工場を建設すると発表した。

ロイターは今月、TSMCが同州でさらに最大5カ所の工場建設を計画していると報じた。昨年発表した工場は回路線幅5ナノメートル(nm)の工場だが、追加で建設する工場は、より高精度な3nm技術の工場にするか、現在検討されている。

関係筋によると、3nm工場の建設には230億─250億ドルかかる可能性がある。TSMCでは、フェニックスに10─15年かけて工場を増設し、次世代の2ナノ技術による生産構想も出ているという。

バイデン米大統領が国内の半導体生産を支援する施策を打ち出している。インテルやサムスン電子も米国内に工場を建設する計画だ。

半導体生産強化の動きは欧州連合(EU)でも出ている。「ユーロファブ」計画の旗振り役であるブルトン欧州委員(域内市場・産業・デジタル単一市場担当)は先月、TSMC欧州の責任者と会談した。ブルトン氏は、有意義な会談だったと述べたが、関係筋は、協議は不調だったと話した。

TSMCの広報担当者は、いかなる可能性も排除していないとする一方で、欧州で工場建設の計画はないと述べた。

アップルなど、TSMCにとって収益の大きい顧客は多くが米国企業。欧州の顧客は主に自動車メーカーで、購入するのは最先端半導体チップではない。第1・四半期の売上高は、北米が67%を占め、欧州と中東は6%、アジア太平洋が17%だった。

関係筋は、TSMCが自動車メーカー向けに欧州に比較的古い世代の半導体工場を建設する可能性は排除していないと述べた。