[ワシントン 7日 ロイター] - 新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)による国家的緊急事態から1年2カ月が経過する中、米景気回復の最終章が6月から始まるかもしれない。半数の州で失業給付の加算措置が終了する中、メジャーリーグのスタジアムはフルキャパシティーに戻り、最大の経済規模を誇るカリフォルニア州ではコロナ禍に伴う最終的な制限が解除され、バーやレストランなどの通常営業が可能になる。

こうした中、連邦準備理事会(FRB)は15日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。危機対応からの脱却に向けた議論を開始する見込みだ。

パンデミック後の経済動向については、失業者の復職や企業の生き残りに加え、経済が支援なしに持ちこたえられるかが鍵となる。

ポーチライト・ブルーイングのゼネラルマネジャー、タイソン・ヘルツォーク氏は、カリフォルニア州で昨年の一時期に多くのレストランを閉鎖に追い込んだ厳しい制限が夏に向けてちょうど終了することに触れ、「本当に素晴らしいタイミングだ」と語った。

昨年12月から新型コロナウイルスワクチンの接種が始まる中、12歳以上で6割を超える人が少なくとも1回目のワクチンを接種。新たな感染者や死者数は大幅に減少し、旅行など関連ビジネスが着実に回復する中、今年は国内総生産(GDP)が過去40年間で最も大幅な成長を遂げると予想される。

ただ、全ての要素が同じように上向いているわけではない。

5月の雇用統計は非農業部門雇用者数が55万9000人増加したものの、昨年の初頭からはなお760万人も低く、失業者は約360万人増加、労働力人口は350万人減少した。モノや人手、原材料の不足により企業は営業時間を短縮し、顧客からの注文を断ったり遅らせており、これが景気回復の足かせになっている。FRBが発表した最新の地区連銀経済報告(ベージュブック)ではモノ・人手「不足」について44回も言及しており、その多さは1月の17回や1年前の3回と比較しても一目瞭然だ。

ただ、エコノミストらはこうした状況がいずれ緩和すると予想する。景気刺激策や低金利を背景に住宅販売が拡大し、住宅建設や木材価格にも影響が波及したが、木材やその他の商品価格はすでに下がり始めており、木材の先物価格はピーク時から24%、銅やアルミニウムは5%程度下落している。また、自動車や家電製品などへの需要の逼迫も、供給が追いつくことで緩和される可能性が高い。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「需要が依然として強く、労働力や資本などの供給問題も解決され、6月は夏のブームの始まりになる」と予想。「労働面では、感染症に対する不安の緩和や給付金の削減、育児環境の改善などが復職を後押しするだろう」と述べた。

(Howard Schneider記者、Ann Saphir記者)