和田崇彦、木原麗花

[東京 11日 ロイター] - 日銀は17―18日の金融政策決定会合で、景気の現状判断をおおむね維持し、大規模な金融緩和を継続する見通しだ。緊急事態宣言の延長で引き続き対面型サービス消費に下押し圧力が掛かる一方、輸出や生産は4月展望リポート時から若干上振れているとの見方が日銀では出ている。9月末に期限となる「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」の延長の是非も議論し、早ければ今回の会合で半年間の延長を決めるとみられる。

4月の展望リポートでは、景気の現状判断を「内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」とした。4月の決定会合後に緊急事態宣言が延長され、対面型サービスは厳しい状況が続いている。しかし、海外経済の堅調推移で輸出は好調を持続。4月の鉱工業生産指数速報は前月比2.5%上昇し、2カ月連続のプラスとなった。

日銀では年後半の景気回復に期待する声がある。ワクチン接種の進展で、これまで抑えられてきた消費が復活するとみられているほか、半導体不足の自動車生産への影響も4─6月には一巡し、7月以降は生産が進むとの見方が出ている。

一方で、足元の素材価格上昇への警戒感が高まっている。10日発表の5月の国内企業物価指数は前年比プラス4.9%と、前年比の伸び率は2008年9月以来の大きさとなった。

素材価格上昇の背後には世界経済の回復があるが、原材料価格上昇分の製品価格への転嫁は進みづらいとの見方もあり、企業収益への悪影響が懸念されている。日銀では企業物価指数の上昇の持続性や、企業の価格転嫁の動きに注目している。

日銀は今回の決定会合で、コロナ対応オペとCP・社債の積極買い入れからなる資金繰り支援特別プログラムの延長の是非を議論する見通し。コロナを巡る不確実性はなお大きく、飲食・宿泊を中心に資金繰りが厳しい企業もあるため、日銀内では延長が必要だとの声が目立つ。延長の場合は半年間が軸になる見通し。

もっとも、昨年12月に日銀が同プログラムの期限延長を決めた時とは状況が異なっている。コロナワクチンの接種が進み、先行きの景気回復への期待感が浮上していることに加え、企業の資金繰りは全体として改善している。7月1日公表の日銀短観を見極め、資金繰り情勢の変化を受けたプログラムの微修正も検討すべきとの声もあり、来月の金融政策決定会合で延長を決める可能性もある。