[東京 21日 ロイター] - 日銀の雨宮正佳副総裁は21日、新潟県金融経済懇談会(オンライン形式)でのあいさつで、日銀が導入した気候変動対応オペ(資金供給制度)について「個別の資源配分への関与を極力避けつつ、柔軟性を確保した世界初の試みとも言える」と述べ、気候変動問題に対する民間の取り組みを一段と後押しすることに期待を示した。

雨宮副総裁は気候関連問題について、政策対応は基本的に国会・政府の役割だとしつつ、中長期的に経済・物価・金融情勢に大きな影響を及ぼし得るため日銀は金融政策面の対応として気候変動対応オペの導入を決めたと述べた。

気候変動対応オペは、民間金融機関が自らの判断に基づいて取り組む気候変動対応投融資を日銀がバックファイナンスする仕組み。雨宮副総裁は、特定の産業や個別の個別の企業への資源配分に関して具体的な介入をできるだけ避けることに配慮したと説明し、「外部環境が流動的な下で、柔軟な対応が可能であるというメリットもある」と指摘した。

<国際商品市況の動向注視>

日銀の金融政策運営については、新型コロナウイルス感染症の影響への対応として導入した新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムなどが、政府の施策や金融機関の取り組みと相まって効果を発揮していると述べた。ただ、感染症の収束には時間を要し、企業の資金繰りにストレスのかかる状況は続くと指摘。必要があればちゅうちょなく追加緩和を行う方針だとする従来からの方針を示した。

雨宮副総裁は、日本の物価は米国などと比べて上昇の動きが鈍い一方、需要喚起を図る値下げが広がっておらず比較的底堅く推移しているとみている。感染症ショックからの回復局面では、企業の価格設定スタンスがどのように変化するか注視する必要があると述べた。

また、世界経済が回復する中で国際商品市況が上昇してきており、その動向や日本経済に及ぼす影響には注意が必要だと語った。

日銀は15─16日に開いた金融政策決定会合で、金融機関の気候変動対応を支援するための資金供給の骨子素案を決めた。現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策は賛成多数で継続を決定した。

(杉山健太郎 編集:田中志保)

*内容を追加しました。