[30日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は30日、米経済が力強く回復しているのは事実だが、最近のインフレ指標が連邦準備理事会(FRB)の物価安定目標を十分に満たしているとは確信できないと表明した。

ロイターとのインタビューで、インフレ率には上向きのリスクがあり、当局は物価変動に細心の注意を払う必要があるとしながらも、新型コロナウイルス禍に伴うサプライチェーン(供給網)の混乱が解消されるにつれ、一部のインフレ指標は鈍化すると予想。

「インフレ率が2%に達し、当面2%を超えると結論づける前に、もう少しデータを見てみたい」とした上で、過去5年間のインフレ率の推移を見るだけでなく、クリーブランド連銀の予測やその他の指標を用いて、インフレ期待の動向も注視したいと語った。

さらに、インフレ期待が目標の2%に定着しているかどうか、またその状態を維持できるかどうかが重要になるとし、「物価がすでにその基準を満たしているとは判断できない」という考えを示した。

メスター氏は来年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。

労働市場については、まだ最大雇用の状態に至っておらず、失業者の数よりも求人の数の方が多いということは、求職者側と求人側の間で雇用のミスマッチが発生している可能性があると指摘。例えば、一部の労働者が都市部への通勤をやめた場合、雇用が必要とされる場所も変化したと考えられるほか、学校の閉鎖や育児などの理由で、仕事に就けない労働者もいるかもしれないと述べた。

テーパリング(量的緩和の縮小)については、年内に開始し、来年半ばまでに終了させることが望ましいとの立場を改めて表明。同時に、買い入れ額を減らした後もFRBは経済を支え続けることに変わりはなく、「われわれは依然として非常に緩和的だ」と強調した。