[シドニー 8日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は8日、半期の金融安定報告を公表した。家計債務の増加が金融システムの不安定化につながるリスクが増大しているとし、住宅市場が過熱する中、銀行は融資に関する規律を維持する必要があるとの見解を示した。

銀行システムは全般的には健全で資本も十分だとした上で、負債に後押しされた住宅価格の高騰には注意が必要とも指摘。

「住宅価格の上昇は既存債務者の財政的な耐性を向上させた」とする一方、「家計債務の増加に伴うシステミックリスクが蓄積されてきた」と分析した上で「住宅市場の強さが熱狂に変われば、脆弱性はさらに高まる恐れがある」と警戒を示した。

オーストラリアの銀行監督当局である豪健全性規制庁(APRA)は6日、住宅ローン規制の強化を発表。銀行が借り手のローン返済能力を審査する際に用いる金利バッファーの最低水準を引き上げた。

APRAによると、今年4─6月に承認された新規住宅ローンの5分の1以上は、借入額が借り手の所得の6倍を超えていた。

不動産コンサルティング会社コアロジックが1日発表したデータによると、オーストラリアの住宅価格は9月も上昇基調を維持し、新型コロナウイルス流行による閉鎖措置の中、主要都市の価格は過去1年で20%上昇した。

中銀は5日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置いた。住宅市場の過熱に対する懸念が高まっているが、長期間にわたり低金利を維持する意向を示唆。2024年まで利上げに踏み切らない姿勢を示している。

CBAの豪エコノミクス責任者、ギャレス・エアード氏は、政策変更によって将来の住宅ローン申請者の借入額は幾分減るだろうとする一方、「現在の住宅市場の勢いはかなり強く、来年の住宅価格の伸びに対する全体的な影響は緩やかになるだろう」と分析。

APRAがさらに厳しい措置を取らなければ、22年の住宅価格の伸びは7%になると予想した。