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白木真紀

[東京 12日 ロイター] - 部品供給の遅れで9月と10月に大幅に減産することを決めたトヨタ自動車が、不足している部品の調達にめどがつきつつあるとして、12月から挽回生産を検討していることが分かった。来年3月までに計画比で約9万7000台を上積みしたい考えで、部品メーカーなど取引先に生産能力の拡大が可能かどうか打診した。事情を知る複数の関係者が明らかにした。

複数の関係者によれば、トヨタは12月から来年3月までに約9万7000台を増やす生産計画を部品メーカーに伝達し、減産分をできる限り取り戻すための協力を要請した。一部の部品メーカーにとっては、平日に加えて毎週土曜日も工場を稼働させることで対応できる増産規模という。

トヨタ広報はロイターの取材に対し、「11月以降の生産計画は正式にまだ何も決まっていない」としている。

トヨタは9月10日、世界的な半導体不足と東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大による影響で、9月と10月を合わせた世界生産(トヨタ車とレクサス車)を8月時点の計画から約40万台引き下げると発表。今期の世界生産計画も従来の930万台から900万台へ下方修正した。

コロナ感染が深刻なマレーシアで半導体工場などが停止した影響が特に大きく、トヨタは減産を迫られた。しかし、前出とは別の関係者によると、トヨタは同国の経済活動が年末にかけて正常化に向かうとみている。

マレーシアのイスマイルサブリ首相は10日の記者会見で、ワクチンの接種目標を達成したとして、感染者が増加してもロックダウン(都市封鎖)を行わない段階への移行に向け準備を進めていると表明した。

この関係者は「東南アジアでの感染者数は足元では減少傾向にある。今後、再び増加する懸念はあるが、対策も講じており、ボトルネックとなっている現地の工場稼働率は12月以降は徐々に改善する」とみており、挽回生産へ動き出そうとしていると話す。

自動車調査会社のカノラマの宮尾健アナリストは「これまでは深刻なシナリオを先々に想定していたが、ここへ来て(東南アジアの)感染者数が急に落ち着き始めており、さらなる減産リスクへの懸念は和らぎつつあるという声を耳にしている」と指摘。「またいつ感染者数が増えるとも限らず、油断はできないが、トンネルの出口が見え始めたという印象だ」と話している。

(12日配信の記事です。本文中の余分な字句を削除して再送します)