[北京 13日 ロイター] - 中国税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、輸出が市場予想を上回る伸びとなった。電力不足や新型コロナの感染再拡大による生産への影響を堅調な世界需要が補った。

輸出(ドル建て)は前年比28.1%増加、8月の25.6%増から伸びが加速した。

輸入(同)は前年比17.6%増加だった。8月は33.1%増だった。

貿易収支は667億6000万ドルの黒字だった。

ロイターがまとめたエコノミストの予想は輸出が前年比21.0%増、輸入は同20.0%増、貿易収支は468億ドルの黒字だった。

1─9月では、輸出(ドル建て)が前年比33.0%増加、輸入(同)は前年比32.6%増加。貿易収支はロイター算出で4275億4000万ドルの黒字だった。

ロイター算出の対米貿易黒字は420億ドルと、8月の376億8000万ドルから増加した。

野村の中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏は輸出の伸び加速について、「9月半ば以降の電力供給制限は輸出にまだ影響を与えていない」と分析。今後は、比較するベースの高さや、新型コロナと共生する戦略を取る国の増加で海外の耐久消費財需要が減少することが下押し要因になるとの見方を示した。

同氏は、10月は輸出の前年比伸びがやや鈍化し、11月と12月には伸び率が10%程度まで大幅に縮小すると予想した。

中国経済は、新型コロナ禍から力強い回復を遂げたが、回復の勢いが弱まっている兆候が見られる。原材料需要の高まりや供給のボトルネックなど新たな問題で先行き不透明感が高まっている。

クリーンエネルギーへの移行やコモディティー価格高などが電力不足を引き起こし、多くの企業で生産が一時的に停止。9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.6と、予想に反して前月の50.1から低下し、景況悪化を示した。

9月の輸入は内需鈍化を示したが、国内のエネルギー需要は急増している。発電所からの需要で9月の石炭輸入は今年の最高を記録し、天然ガス輸入も1月以来の高水準となった。

HSBCの大中華圏担当エコノミスト、エリック・シン氏は「ベース効果の影響を除外しても、輸出は引き続き加速している」とし、世界的なサプライチェーンの混乱を踏まえ、クリスマス商戦用の消費財を早期に出荷する動きが出たことが、輸出拡大に寄与した可能性があるとの見方を示した。

9月の計画停電は、まだ輸出には悪影響を及ぼしていないかもしれないが、数カ月以内に中国製品の生産が抑制され、コストが上昇する可能性があるとの指摘もあった。

オックスフォード・エコノミクスのアジア経済担当トップ、ルイ・クイジス氏は、短期的には逆風はあるが、今後数四半期の輸出の見通しは依然として良好だと分析。

「基本的には、今後数カ月で混乱が収まると予想している。政府高官は経済成長を重視し、気候目標の追求については、従来よりも慎重なペースで進めるよう呼び掛けるだろう」と述べた。

また「現在、世界経済の回復が進行しており、来年には世界的なサプライチェーンの混乱も徐々に緩和されるだろう。これが輸出を下支えする要因になるはずだ」との見方を示した。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は、9月の輸入について「内訳をみると、すべての商品タイプが幅広く減少したが、特に半導体の輸入が顕著だった」と指摘。

「産業用金属の輸入が数量ベースで減少しており、環境規制や建設活動の冷え込みが、重工業の重しになっていることが浮き彫りになった」と述べた。