[北京 14日 ロイター] - 中国国家統計局が14日発表した9月の生産者物価指数(PPI)は前年比10.7%上昇した。原材料価格の高騰を背景に1996年10月の統計開始以来、最も高い伸びを記録した。予想も上回った。

一方、弱い需要により消費者物価の伸びは鈍く、政策当局者は生産者物価の伸びを抑えながら景気を支援するという難しかじ取りを迫られる。

ロイターがまとめた市場予想は10.5%上昇だった。8月は9.5%上昇していた。

国内の電力不足による生産抑制や数カ月にわたる世界的な商品価格の高騰で生産者物価が上昇している。しかし需要が鈍いため企業はコスト増を価格に転嫁することに消極的だ。

消費者物価指数(CPI)は前年比0.7%上昇。伸び率は8月の0.8%から鈍化し、市場予想の0.9%も下回った。衣料品や家電製品の需要が低調だったほか、食品価格が下落した。

食品とエネルギーを除いたコアCPIは1.2%上昇と、前月と同水準だった。

BOCOMのチーフマクロ経済アナリストは「内需が比較的弱く、需要回復を支えるために一定の支援が必要とされている。だがPPIは過去最大の伸びをとなっているため、政策余地は限られる」と述べ、金融政策当局者は難しい立場に置かれていると指摘した。

世界各地で経済が再開され石炭や金属の需要が増加したことにより、ここ数カ月で商品価格が急上昇したことが生産者物価を押し上げている。労働力不足や輸送のボトルネックも価格上昇の要因だ。

中国では9月に広範囲にわたる停電が発生し、セメント、鉄鋼、アルミニウムの生産に支障をきたしたことも物価上昇圧力を高めている。

統計局によると、9月は40業種のうち価格が上昇したのは36業種と、8月の32業種から拡大した。鉱業と石炭部門は上昇率が8月の57.1%から74.9%へさらに加速した。

コメルツ銀行の新興市場アナリストは「供給面のボトルネックは続くが需要が弱いため、生産者はコストを転嫁できない。これは中国経済が乗り越えなければならない痛みを伴うプロセスだ」と話した。

<政府の措置>

中国政府は先週、石炭火力で発電した電力の価格について、基準価格から最大20%の変動を認める方針を示した。

ANZはこの措置によりPPIの伸びが短期的に2%ポイント押し上げられるが、CPIへの影響は0.5%ポイントにとどまると予想した。

BOCOMのアナリストは中国人民銀行(中央銀行)が年内に利下げや預金準備率の引き下げを行う可能性は低いとの見方を示した。構造調整により銀行システムの流動性を適度に潤沢な水準に維持する公算が大きいという。

*内容を追加しました。