[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は28日の定例オペで、3年債利回り目標の対象である2024年4月償還債の買い入れを見送った。これを受けて同国債の利回りは目標を大きく上回る水準に急上昇し、市場の早期利上げ観測が強まった。

同国債利回りは0.50%まで上昇、中銀の目標である0.1%を大幅に上回っている。

中銀は現在0.1%の政策金利を引き上げるのは2024年以降になるとの見通しを示しており、3年債利回り目標がこの見通しの核をなす。同利回りを目標水準に維持できなければ、市場の早期利上げ観測が強まることになり、22年半ばまでの利上げも想定に入ってくる。

金利先物は早ければ来年5月に利上げがあるとの見通しを織り込む水準にあり、3年債先物は19年半ば以来の安値を付けた。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の経済・市場担当ディレクター、タパス・ストリックランド氏は「市場は来年半ばまでの50ベーシスポイント(bp)の利上げと、来年末までの100bpの利上げを織り込んでいる」と指摘した。

27日に発表された第3・四半期のコアインフレ率は前年比2.1%で6年ぶりの高水準となり、中銀の目標レンジである2─3%に戻った。

豪中銀のデベル副総裁は議会公聴会でインフレに関する質問に対し、詳細には触れず、金融政策はインフレの押し上げを目指しているものの「ずっと高い」インフレは問題になるとのみ答えた。

RBAは次回11月3日の理事会で、利回り曲線目標の堅持を表明するか、目標を緩めるあるいは撤回するなどして対応するよう迫られている。

コモンウェルス銀行(CBA)の豪経済担当責任者、ガレス・エアード氏は「われわれは豪中銀がこれほど早くそれを撤回する可能性は低いと考えているが、リスクではある」と指摘。豪経済の見通しは新型コロナウイルスワクチン普及により改善し、労働市場は当初の懸念に反し、底堅さを示していると分析した。

22年5月ごろには、RBAが資産買い入れ策を終了できるまでに経済成長が加速し、インフレ圧力が強まっているだろうと予想した。

同氏は利上げ開始時期の予想を従来の23年5月から来年11月に前倒しし、政策金利が0.25%に引き上げられるとした。24年第3・四半期までに追加利上げが4回行われ、政策金利が1.25%に到達すると見込む。

ウエストパックのチーフエコノミスト、ビル・エバンズ氏は、2023年2月まで利上げはないとする自身の予測を維持。それまでにはコアインフレ率が3四半期連続で2.5%を上回り、失業率が現在の4.6%から3.8%まで低下すると見込む。

同氏は「市場は引き続き豪中銀が想定するタイミングに先んじている」としつつ、豪中銀が2024年まで政策金利を0.1%にとどめておけそうにないことを認める時期だと述べた。