[上海/香港 3日 ロイター] - 中国配車サービス大手の滴滴出行(ディディ)は3日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)からの上場廃止手続きと香港上場準備に着手すると発表した。6月末に上場してわずか5カ月で上場廃止に向かう。

NY上場前、中国当局は滴滴にデータ管理に関する調査を実施している間は上場を見合わせるよう要請していた。滴滴が上場を決行すると、中国サイバースペース管理局(CAC)は国家安全保障や国民の利益を理由に、滴滴のアプリの配信を停止するようアプリストア運営会社に命じ、同社には新規利用者登録を停止するよう指示した。ロイターは先週、中国の規制当局がデータのセキュリティー懸念を理由に滴滴の経営陣に対してニューヨーク市場からの上場廃止計画を策定するよう要求したと伝えていた。

滴滴は微博(ウェイボ)のアカウントで「慎重な調査に続き、NYSEからの上場廃止手続きにすぐに着手し、香港上場の準備を開始する」と表明。その後、英語の文書で取締役会で承認が下りたと発表した。必要な手続きを経て、この問題に関する株主総会を今後の適切な時期に開催すると説明した。

関係筋によると、滴滴はNY上場廃止手続きよりも香港上場手続きを優先して進め、今後3カ月でNYと香港の重複上場を完了させたい考え。NY上場廃止は2022年6月までの実施を目指しているという。

ただ、香港上場は一筋縄ではいかない可能性がある。課題の一つは、中核事業の配車サービスが中国の規制で必要とされる許可を全て取得している割合が20─30%しかない状況で、香港取引所が上場を承認するかという点だ。関係筋によると、この問題は以前から香港IPOの障害になっていたという。

滴滴は年内に中国で配車などのアプリを再開する準備を進めているとされる。年末までに当局による同社のサイバーセキュリティーに関する調査が完了することを想定しているという。

光大新鴻基の証券ストラテジスト、ケニー・ウン氏は滴滴の発表について、「ハイテク大手の将来的な上場先の決定に明確な影響を及ぼすだろう」と指摘。また、中国本土でのハイテク企業に対する現在の監督体制が今後も続くと市場は受け止めると述べた。