[上海 29日 ロイター] - 中国の5大国有銀行が発表した2022年第1・四半期決算は、純利益の伸び率が少なくとも過去7年間の第1・四半期として最大となった。不良債権が減少したのが要因。

中国の金融機関の多くは、資金繰りに窮した不動産開発業者への融資で苦しんでいる。一方、中国の大手銀行は多様なポートフォリオを持ち、リスクの高い不動産顧客へのエクスポージャーが少なく、難局を乗り切ってきた。

中国工商銀行(ICBC)は純利益が5.7%増え、少なくとも15年以降の第1・四半期として伸び率が最も大きかったと発表した。中国建設銀行(CCB)、中国農業銀行(AgBank)、交通銀行(BoCom)が続き、いずれも第1・四半期の純利益の増加幅として少なくとも14年以降で最大になった。

中国銀行(BoC)の純利益は7%増加し、同四半期としては15年以来の高い伸びとなった。

5行はいずれも不良債権比率の縮小・横ばいを報告した。

第1・四半期の決算内容は新型コロナウイルス発生当初の経済成長の鈍化から大手銀行が立ち直ったことを示したが、現在はより感染力が強いオミクロン変異株の感染拡大に直面している。

ムーディーズの銀行アナリスト、ユリア・ワン(Yulia Wan)氏は「ロックダウン(都市封鎖)による事業の新たな混乱は引き続き心理と経済活動の重しとなり、銀行の資産リスクを高めるだろう」との見方を示した。

中国当局は29日、金融の不安定化を回避するためにシステム上重要な銀行で、「ビッグ4」と呼ばれる4大国有銀行の中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行に対して損失吸収能力の強化を義務付ける規則を発表した。