[イスタンブール 5日 ロイター] - トルコ統計局が5日発表した4月の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率は69.97%と、2002年2月以来約20年ぶりの高い伸びを記録した。昨年の通貨危機をきっかけに始まったインフレが、ロシアのウクライナ侵攻の影響による食品とエネルギーの価格上昇加速で一段と高まった。

4月CPIの前月比は7.25%。ロイター調査で示された予想は前年比が68%、前月比が6%だった。

物価高騰でトルコ国民の家計は非常に窮迫しており、来年6月に予定される大統領・議会選で長らく続いたエルドアン大統領の統治時代に幕が下りる可能性も出てきた。実際、世論調査でエルドアン氏の支持率は低下が止まらない。

エルドアン氏は2003年に首相として政権を掌握した後、大統領に転じて権力の座に座り続けてきた。ただ昨年中央銀行が大規模金融緩和を実施して通貨リラの急落を招き、輸入物価上昇を通じたインフレにつながった裏には、エルドアン氏の圧力があったとの批判が強まっている。

ブルーベイ・アセット・マネジメントのストラテジスト、ティモシー・アッシュ氏は現在の物価高騰について「食品とエネルギーの価格上昇というだけでなく、トルコの金融政策の明らかな失敗、つまりエルドアン氏が推進してきたような、経済理論の主流に反する金融政策がみじめなほどに全面的に失敗したということだ」と指摘した。

トルコ政府は、低金利で生産と輸出を促進し、経常黒字化を目指すという新しい経済政策の下で、物価上昇率はいずれ鈍化すると強調してきた。

しかしエコノミストは、ウクライナ危機の影響もあり、今年を通じて物価は高止まりするとみている。直近のロイター調査では、年末までのCPI前年比上昇率の予想中央値も52%だった。