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[9日 ロイター] - これまでできるだけ多くの新型コロナウイルスワクチンをできるだけ早く供給しようとしてきたメーカー各社がペースを落とし、市場規模がより小さく競争のより厳しい追加接種市場向けの戦略を練るようになっている。

最大手の米ファイザーや米モデルナなどの幹部は、接種を受けたい人のほとんどが既に2回目までの接種を済ませたとの見方を示す。その数は世界で50億人超とみられる。今年実施される接種の大半はさらなる追加接種か、子どもへの最初の接種になるとの見解だ。子ども向けは世界的にはまだ規制当局からの承認作業の途中だ。

ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、世界的な感染流行から2年以上たった以上、まだ未接種の成人は今も受けたがらない可能性が高いと指摘。需要を当てにできるのは既に接種した層になるとの考えを強調した。

モデルナ幹部は最近、毎年の追加接種が有効になるのは50歳以上と、高リスクの成人や医療関係など感染リスクの高い職業従事者だと指摘。同社のバンセルCEOはそうした層が世界人口の約21%の約17億人との推計を示した。

ファイザーもモデルナも、全体のワクチン需要が減退しても市場で主要な役割を果たすのは自分たちだと考えている。両社のメッセンジャーRNA(RNA)ワクチンはライバルのワクチンより改良を早くしやすい。両社ともオミクロン株に対象を絞ったワクチンを開発中だと表明している。

米ノババックスや、英グラクソ・スミスクラインと組むドイツのキュアバックは、追加接種市場に狙いを絞ったワクチン開発を目指している。英アストラゼネカと米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、いずれもワクチンがこれまで人気が出なかったり高い有効性を示せなかったりしており、追加接種市場での存在感は小さくなるとみられている。

オッペンハイマーのアナリスト、ハータジ・シン氏は「ワクチンメーカーが価格力や市場シェア争いで最後まで闘い続ける上で、競争は極めて厳しくなっている」と指摘。ファイザーやモデルナのような最も良いとみなされているワクチンでもそれは同じだと語る。

これからどれぐらいの量の追加接種用ワクチンが必要になるのかはまだ分からない。4回目接種は一部の国で、限られた対象層にのみ推奨されている。ワクチンメーカーが今年の秋、さらにはその後も毎年秋に、インフルエンザワクチンメーカーがウイルス株の流行予想に合わせてやっているような設計し直したワクチンを販売してくことになるのかも確かではない。そうした場合にコロナワクチンの需要減退にどう影響し得るのかも明確ではない。

コーエンのアナリストによると、コロナワクチンでは、総計約6億人が接種を受けている米国と西欧が今後も引き続き重要な市場になる。ただ、そうした市場でもこれまでに比べれば売り上げは大きく減る可能性がある。需要が容易に見込めそうなのは20─25%相当の、さまざまな理由で高リスクと見なされる層で、この対象層は毎年接種を受ける可能性が最も高い。これまで米国で少なくとも3回目を接種したのが成人の49%、欧州では62%であるのに比べると、はるかに少なくなる想定という。

アナリストらはファイザーとドイツのビオンテック連合のワクチンの来年の売上高を170億ドル超とし、今年の予想340億ドルから半減すると試算。モデルナでは来年が100億ドル超で、今年の230億ドルからやはりほぼ半減する予想だ。それ以降の売上高の落ち込みは両社とももっと大きくなるとアナリストは予想している。