[ニューヨーク 18日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)の18日発表の今年第1・四半期報告書によると、同四半期の世界の債務増加は中国の2兆5000億ドルと米国の1兆5000億ドルが最も大きかった。世界全体の債務残高は305兆ドル強と過去最多になった。ユーロ圏の債務残高は3四半期連続で減少した。

全体では新興市場国も先進国もドル建て債務が高水準な状態で金融引き締め局面に入っている形だ。

報告書は「各地の中銀がインフレ圧力抑制のため引き締めを進めている。借り入れコストの上昇は債務のぜい弱性をさらに悪化させる」と指摘。投資家層が多様でない新興市場債務国にとって、打撃はより大きくなる可能性があると警告した。

米10年物国債利回りは今年これまでに約150ベーシスポイント(bp)上がり、今月は一時、2018年以来の水準に上昇した。

セクター別では、銀行以外の企業債務と政府債務が一番の押し上げ要因だった。金融セクターを除く企業債務は236兆ドルを上回り、コロナ禍が本格化した2年前より約40兆ドル増えた。

政府債務の伸びはこれよりは緩やかだったが、借り入れコスト上昇で政府のバランスシートは引き続き圧迫されている状態だ。

報告書は「政府の借入必要額は依然としてコロナ禍前水準を上回っている。コモディティー価格の上昇やボラティリティー増大によって、一部の国は社会不安を回避するため公的支出の拡大を余儀なくされる可能性がある」と指摘。財政余地のより少ない新興市場国にとって、特に困難な状況になるかもしれないとも分析した。

新興市場国は債務残高が1年前の89兆ドルから100兆ドルに近づいている。こうした市場では「透明性の欠如」がさらに負担を大きくする形になっている。報告書は公的債務が適時開示されず、偶発債務のカバーも極めて限られる上、守秘条項が過剰に多用されていることを列挙。こうしたことが債権者と債務者との間で情報の不均衡をもたらし、大きな障害になるとした。これが新興国の借り入れコストを上昇させ、民間資本市場へのアクセスが限られる原因になっていると指摘した。

報告書によると、世界の国内総生産(GDP)に対する債務比率は348%と、1年前の記録的な高さから約15%ポイント低下した。主に欧州諸国で改善が見られた。一方、ベトナムとタイと韓国は同比率が最も上昇した。

報告書は、今年は世界的に経済成長の大幅鈍化が予想されるとし、債務問題への悪影響を懸念。「中国でのコロナ感染予防のロックダウン(都市封鎖)や世界的な金融環境の引き締まりを考えると、経済成長の鈍化によって、GDPに対する債務比率の低下は限定的になるか、あるいは低下傾向が逆転する可能性も高い」としている。