[24日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)の低迷期間が9週目に突入し、代表的な仮想通貨ビットコインもこの冷え切った局面を打破できないでいる。チャート上の節目から売買高まで、各種指標はわずか2カ月で約33%も価値を失ったビットコインに対して、赤信号や黄信号を点滅させ続けているところだ。

ではこれからどうなるのか。

1カ月ないしそれ以上も弱気相場が続く事態は「暗号資産の冬」と呼ばれるが、ビットコインは取引の歴史が短いため、今後を占う上で過去の値動きはそれほど参考にならない点には注意も必要だ。

暗号資産の冬は2017年以降で5回、昨年以降でも3回やってきた。昨年の2回はそれぞれ14週と10週続き、ビットコインの下落率は45%と47%を記録。これらが典型的なパターンだとすれば、過去8週で36%だった現在のビットコインの下げはまだ続く余地が残っている。

資産運用会社ソルライズ・ファイナンスの金融戦略責任者ジョセフ・エドワーズ氏は「ビットコインは目下、個人投資家にとって単に魅力的ではないということだ。もはや誰も10倍(のリターン)をビットコインで得られる可能性を想定していない」と述べた。

実際、不安定でリスクが大きく、インフレにも弱いとみなされているビットコインにとって、足元のマクロ環境は追い風とは程遠い。世界的な金利上昇や地政学問題への懸念から、S&P総合500種が弱気相場確定目前の水準で推移する中で、仮想通貨はどんな投資家の購入対象にも入らない。

ただこのような荒涼とした地合いにおいても、ビットコインが反発基調に転じる幾つかの兆しも見える。

例えばビットコインは他の仮想通貨市場からの資金を吸収する形で相対的な底堅さを発揮している。今月上旬の「テラUSD」急落をきっかけに極めてリスクが高いとみなされたステーブルコインなどのアルトコインから逃げ出した投資家にとって、ビットコインに備わる比較的成熟した仮想通貨としての姿はある程度の安心感を与えてくれるからだ。

確かにビットコイン自体は下落しているが、時価総額で見たビットコインの他の全ての仮想通貨に対する比率は今44%と7カ月ぶりの高水準に達している。

英国に拠点を置く資産ブローカー、グローバルブロックのアナリスト、マーカス・ソティリオウ氏は「特に機関投資家が安全な場所に避難しつつあり、ビットコインにある程度流れている。ビットコインは(仮想通貨の中で)機関投資家に最も採用されている」と指摘した。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、先週のビットコイン先物市場では買い越しが2018年の同先物導入以降で最大を記録し、トレーダーがビットコインの値上がりに期待したポジションを膨らませている様子がうかがえる。

<萎縮する市場>

ビットコイン価格は昨年11月10日につけた過去最高値の6万9000ドルから半分になってしまった。12日に1年5カ月ぶり安値の2万5401ドルまで下がった後、今週は3万ドル付近で推移。時価総額ベースでは依然として最大のデジタル資産という地位を維持しているものの、全仮想通貨の時価総額自体が足元で1兆3000億ドルと、ピークだった11月時点の3兆ドルから半分未満に目減りした。

データプラットフォームのコイングラスが算出しているビットコインの市場心理を表す「恐怖・強欲指数(ゼロが極端な弱気、100が極端な強気)は現在13となっている。

ビットコインに次ぐ取引規模の仮想通貨イーサの価格は2000ドル近辺。11月10日につけた最高値の4868ドルからはおよそ6割下落した。

調査会社マクロ・ハイブのビラル・ハフィーズ最高経営責任者(CEO)は、イーサの場合は2300─2500ドルが重要な水準で、短期的にこの辺りを維持できなければ弱気シグナルが発信されると警告した。

仮想通貨市場は全般的におびえて萎縮した状態にある。ニュース・調査サイトのザ・ブロックによると、全仮想通貨のスポット取引は、主要交換所における合計売買高が23日時点で184億ドルと、今年最高だった14日の482億ドルの半分にも達していない。

ブロックチェーン分析企業グラスノードは、ビットコイン価格が3万3600ドルだった9日段階で、40%の投資家の保有分は評価額が取得価格を下回っていたと説明した。

アライ・インベストのチーフ市場・マネーストラテジスト、リンゼー・ベル氏は「多くの投資家は手持ちのビットコインをどうすべきか悩ましく思っている。このまま必死に踏ん張って保有し続けるか、それとも損切りして退散するかだ」と語り、これは仮想通貨をポートフォリオの一定割合、例えば1─2%以上持つべきでないという戒めを思い出す格好の材料だと付け加えた。

( Medha Singh 記者、Lisa Pauline Mattackal 記者)

*記事の内容は執筆時の情報に基づいています。