[東京 8日 ロイター] - 日銀は16―17日の金融政策決定会合で、生産の判断を引き下げる方向で検討する見通しだ。供給制約が長期化する中、中国のゼロコロナ政策で物流が停滞し自動車生産が落ち込んだことを反映させる。複数の関係者が明らかにした。

ただ、上海のロックダウン(都市封鎖)が解除されたことや需要の強さから、生産の落ち込みは一時的との見方が多い。個人消費が回復してきていることから、基調として景気が持ち直しているとのメインシナリオは維持する公算が大きい。

前回4月の決定会合で取りまとめた「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、輸出・生産について「供給制約の影響を残しつつも、基調としては増加を続けている」と表現した。今回は弱めの表現に修正する方向で検討するとみられる。

経済産業省が5月31日に発表した4月鉱工業生産指数速報は前月比1.3%低下と3カ月ぶりにマイナスに転じた。5月の生産予測指数は補正後で前月比0.5%低下。日銀では4―6月期は生産に下方圧力が掛かるとの見方が出ている。

世界銀行は7日に公表した最新の世界経済見通しで、2022年の世界実質GDP(国内総生産)成長率予測を1月時点の4.1%から2.9%に下方修正した。ロシアによるウクライナ侵攻が、新型コロナウイルスの世界的な大流行による打撃に追い打ちをかけ、多くの国にとって景気後退(リセッション)を避けるのが難しくなると想定している。

日銀では、連続利上げで米国経済が減速する可能性や、中国景気の下振れ懸念などが日本経済の先行きをめぐるリスクとして意識されている。このため決定会合の声明文では、世界経済や輸出についても表現を慎重化させる可能性がある。

もっとも、上海では1日からロックダウンが解除され、物流の回復が見込まれている。日銀では、海外の需要の強さは変わっておらず、供給制約の影響緩和とともに生産が戻っていくとの声が根強い。

国内では、コロナ感染の落ち着きでサービス消費が復調を続けている。個人消費について、4月展望リポートでは「感染症によるサービス消費を中心とした下押し圧力が和らぐもとで、再び持ち直しつつある」としていたが、今回は強めの表現に修正する可能性がある。

(和田崇彦、木原麗花)