英CPI、5月は前年比+9.1% 40年ぶり高い伸び
ロイターがまとめた市場予想と一致した。4月は9.0%上昇だった。
ポンドは0.6%下落し、1ポンド=1.22ドルを割り込んだ。一部の投資家の間で英国が高インフレと景気後退に見舞われる可能性があるとの見方が浮上している。
シンクタンク、リゾリューション・ファンデーションのシニアエコノミスト、ジャック・レスリー氏は「経済見通しは非常に不透明で、高インフレがどこまで進むか、いつまで続くか、誰にも分らない。特に金融・財政政策の判断が難しくなる」と述べた。
ONSは「前年低下した食品・非アルコール飲料が上昇し、寄与度が最大となった」と述べた。
食品・非アルコール飲料の価格は前年比8.7%上昇。2009年3月以来の高い伸びとなった。
食品・エネルギーを除いたコアインフレ率は前年比5.9%上昇と前月の6.2%から鈍化した。伸びが縮小するのは昨年9月以来。
インベステックのエコノミスト、サンドラ・ホースフィールド氏は「コア指数の上昇圧力が弱まっていることにイングランド銀行(英中央銀行)は希望を見出すかもしれないが、今後数カ月で一段の利上げを回避できるかは疑わしい」と指摘した。
5月のCPIは前月比では0.7%上昇。市場予想は0.6%上昇だった。
生産者物価投入指数は前年比22.1%上昇し、1985年の統計開始以来の伸び率を記録した。