テスラ、テキサスとベルリンの新工場は大赤字=マスク氏
米EV大手テスラのイーロン・マスクCEOは、米テキサス州とドイツ・ベルリン近郊の新工場が「数十億ドル規模の損失」を生み出していると最近明らかにした。写真はテスラのロゴ。ニューヨークで2017年12月撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)
(ロイター)
マスク氏は5月31日、同社公認のテスラ車オーナーのクラブのインタビューで「ベルリンと(テキサスの)オースティンの工場は目下、『火の車』の状況にある。本当にお金が大きな音を立てて燃えているようなものだ」と語った。インタビューは3部構成で、22日に最後の部分が公表された。
同氏によると、テキサスの工場の生産台数は「ごくわずか」にとどまっている。新型電池「4680」の増産が難航し、従来型電池「2170」の製造装置が中国の港に滞留しているためだとした。
「迅速に問題を解消する見通しだが、十分に留意すべき問題だ」とした。
ベルリン工場はEV生産に「2170」を使用し始めたため、「多少は状況が良い」とした。
中国・上海市の新型コロナウイルス対策の封鎖措置については「非常に厳しかった」と述べ、上海工場だけでなく中国産の部品を使うカリフォルニア工場にも影響が及んだと明らかにした。
「過去2年間はサプライチェーン(供給網)が次々と寸断され、全くの悪夢だった。われわれはまだ、そこから抜け出せない」と嘆いた。
また、テスラが抱える圧倒的に大きな心配事は「従業員に給与を払い、破綻を避けられるように、どうやって工場の操業を続けていくか」になっていると指摘した。
同氏は今週、10%程度の人員削減が必要との考えを示唆。それ以前には米国が景気後退(リセッション)に陥る確率は、回避できる確率より大きいとも発言している。
生産を延期した電動ピックアップトラック「サイバートラック」については、2023年半ばに生産を開始する見込みだと述べた。
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