[ニューヨーク 23日 ロイター] - 市場関係者の間では、米企業業績が原油高でさらに打撃を受け、株価が一段と下落するのではないかとの懸念が浮上している。

小売り大手のターゲット、ウォルマートはすでに原油高で利益が圧迫されていると警告。一部投資家は、企業業績のアナリスト予想に原油高の影響が十分に反映されていない可能性があり、業績予想の下方修正が始まれば、株価が下落する恐れがあると懸念している。

グレンミードのプライベートウェルス部門最高投資責任者、ジェイソン・プライド氏は「企業業績は表面的には好調を維持しているが、エネルギー価格の高騰で年内に利益率が低下し始める可能性がある」と指摘。

ネッド・デービス・リサーチによると、原油価格が10ドル上昇するごとに世界の域内総生産(GDP)は0.3%目減りする。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのジョン・ラフォージ氏の推計では、原油価格が2月以降に約30ドル上昇したことで世界経済は1%押し下げられ、米国は今年景気後退に陥る可能性が高いという。

同氏は「(景気後退は)避けられない。コモディティーが好調なときは株式市場はほぼ常に弱気相場入りしている。利益率が低下するためだ」と述べた。

ウォルマートは先月、燃料費が予想を1億6000万ドル上回ったと表明。ターゲットは通年の輸送・運送費の予想を10億ドル引き上げた。

だが、アナリストが燃料費上昇を業績予想に反映している形跡は乏しい。リフィニティブのデータによると、企業が発表した第2・四半期の業績予想のうち、市場予想を下回ったのは全体の約61%。第1・四半期の68.7%を大幅に下回っている。

リフィニティブによると、S&P総合500種指数採用企業の第2・四半期決算は全体で5.4%の増益となる見通しだが、エネルギー企業を除くと2.2%の減益となる。

投資家は原油の高止まりを予想している。BofAグローバル・リサーチの調査によると、世界の投資家の間で最も人気のある取引は原油などコモディティーの買いだ。

ブラックロックのアナリストも、業績のコンセンサス予想にはエネルギー価格が成長を圧迫するリスクが反映されていないようだと指摘している。このため「リスク資産が下落しても安値拾いの買いを入れる理由とはならず、今後さらにボラティリティーが拡大すると予想している」という。

通常、原油高は景気後退や消費習慣の変化を通じて需要減少につながるが、BofAヨーロッパのコモディティーストラテジスト、フランシスコ・ブランチ氏によると、対ロシア制裁が続く限り原油価格が下落する可能性は低い。

同氏は「たとえ世界が景気後退に陥っても、来年の北海ブレントの平均価格は1バレル=75ドル以上になる可能性がある」と述べた。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのポートフォリオストラテジスト、ギャレット・メルソン氏は、原油高が近く利益全体を押し下げるとの見通しを示した。