[23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、約40年ぶりの高水準に達しているインフレを抑制するFRBのコミットメントは「無条件」と表明した。同時に、積極的な金融引き締めが失業率の上昇を招くリスクが存在するという認識を示した。

パウエル議長は「物価安定を回復する必要がある。物価安定を達成せずに幅広い恩恵につながる最大雇用を持続的に維持することはできない」と言明。「FRBはそれを達成しなくてはならない」と述べた。

前日の上院での証言に続きこの日も、インフレ抑制に向けたFRBの取り組みについて議員から厳しい追及を受けた。

委員会のメンバーからの質問に対しパウエル議長は、FRBの行動が失業率の上昇につながるリスクがあると回答。「FRBは精密なツールを有しておらず、失業率が歴史的に低い水準から上昇するリスクは存在する。しかし、4.1%もしくは4.3%の失業率は、労働市場が引き続き極めて堅調な状況を示している」と述べた。

5月の米失業率は3.6%だった。ただ、過熱する米労働市場には軟化の兆しも見え始めている。

同時に、パウエル議長は景気後退(リセッション)は不可避ではないという認識を示し、今年低調なスタートを切った米経済成長が下期に加速するという見通しも示した。

また、FRBの2%のインフレ目標を引き上げる可能性があるかという議員からの質問に対しては、「FRBがそうすることはない」と断言した。

失業率が上昇し、インフレが高止まりする状況に陥った場合に利下げを実施する可能性も否定。「インフレ抑制で失敗することはできない。インフレを2%に低下させる必要がある」と言明した。

22日に上院銀行委員会で行われた公聴会の証言では、パウエル議長はインフレを引き下げることに「強くコミット」していると表明。インフレ阻止のために景気後退を誘発しようとしているのではなく、景気後退リスクがあっても物価抑制に全力を傾けていると述べていた。