[ワシントン 30日 ロイター] - 米商務省が30日発表した5月の個人消費支出(PCE)は前月より0.2%増加したものの、増加率は過去5カ月で最小となり、予想の0.4%も下回った。物価上昇で消費が抑制されており、第2・四半期の初めに見られた回復の失速が改めて裏付けられた。

4月は前回発表(0.9%増)から0.6%増に下方改定された。個人消費はアメリカの経済活動の3分の2超を占める。

5月は、自動車への消費減が重しとなり耐久財が減少。一方、ヘルスケアや海外旅行などに押し上げられ、サービスは増加した。

5月のPCE価格指数は前月比0.6%上昇。モノとサービスの価格が共に上昇したことで押し上げられ、4月の0.2%から加速した。前年同月比では6.3%上がり、上昇率は4月と同じだった。

ただ、基調的な物価圧力は軽減。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前月比0.3%上昇と、伸び率は4カ月連続で横ばいにとどまった。前年同月比は4.7%上昇と、上昇率は昨年11月以来最小。4月の4.9%から減速した。

個人所得は0.5%増加。貯蓄率は5.4%と、前月の5.2%から上昇した。上昇は今年に入ってから初めて。

シティグループ(ニューヨーク)のエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「6月と7月の経済指標でも、個人消費支出がPCEが消費者物価指数(CPI)よりも軟調であることが示される可能性がある」としながらも、「連邦準備理事会(FRB)は利上げペースを緩める前に、物価圧力の軽減を広範な経済指標で確認する必要がある」と述べた。

FWDBONDS(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「連邦準備理事会(FRB)はインフレとの戦いにまだ勝利していないが、(インフレ抑制に向け)景気が減速していることを示す幾分心強い兆候が出ている」と指摘。「市場では景気後退懸念が出ているが、景気後退に向かっていると言えるほど、労働市場でレイオフが増加しているわけではない」と述べた。

第1・四半期の国内総生産(GDP)は年率換算で前期比1.6%減少した。記録的な貿易赤字が、2年近く前の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による急激な景気後退以来のマイナス成長の主な要因となった。第2・四半期の最初の2カ月で貿易赤字は縮小したものの、個人消費減速で売れ残りが山積みになっている。これは成長の重しとなり、景気後退の懸念を高める可能性がある。